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鬼塚眞子「目を背けてはいけないお金のはなし」

トイレや浴室などの詰まり・水漏れ、実は無料で修理…火災保険の付帯サービスで

文=鬼塚眞子/ジャーナリスト、一般社団法人介護相続コンシェルジュ協会代表
トイレや浴室などの詰まり・水漏れ、実は無料で修理…火災保険の付帯サービスでの画像1
東京海上日動火災保険「トータルアシスト住まいの保険」の公式サイトより

 ウェブサイト上で「修理 関東最安値 220 円(税込)~」などと低額な料金でトイレの詰まり修理を行う旨を表示しているが、実際は高額な料金を請求する修理業者は多い。8月24日、消費者庁は注意喚起を行った(ウェブサイト上では低額な料金を表示しているが、実際には高額な料金を請求するトイレの詰まり修理業者に関する注意喚起 | 消費者庁 (caa.go.jp)。消費者庁は以下のとおり被害防止策を明示している。

・ウェブサイトに表示された低額な料金をうのみにせず、依頼する前に、作業内容や料金を確認しましょう。

・自宅に来た作業員は信頼できる作業員でしょうか。作業内容や請求された料金に納得できないときは、その場で料金を支払うことに慎重になりましょう。

・トイレが詰まってしまっても慌てずに、まずは冷静になりましょう。普段から、簡易トイレを数日分備蓄しておいたり、信頼のおける事業者を探しておくとよいでしょう。

・ウェブサイトを見て修理依頼した場合であっても、クーリング・オフできる可能性もあります。ウェブサイトの低額な料金を見て訪問修理を依頼したにもかかわらず、実際には消費者のお宅において高額な修理の勧誘を受けて契約した場合、クーリング・オフできる可能性もあります。

【相談窓口】いずれも局番なし
・消費者ホットライン(最寄りの消費生活センターなどをご案内します。) 電話番号 188(いやや!)
・警察相談専用電話 電話番号 #9110

付帯サービス

 ある日突然、しかも深夜や早朝に洗濯機、トイレ、お風呂、台所などの蛇口や排水溝で水漏れが発生したら、冷静でいられる人は少ない。ましてや階下に被害を出した場合のパニックは相当だ。

 高額請求の被害に遭わないためにも覚えておきたいのが、火災保険で提供されている付帯サービスだ。付帯サービスなので利用料は無料だ。主な保険会社の水漏れトラブル関連のサービスをまとめてみたが、基本的には24時間年中無休で対応してくれる。各社ともに30分程度の応急処置なら修理費用は無料となるケースが多い。

【主な損害保険のHPより抜粋】

(1)東京海上日動火災保険「トータルアシスト住まいの保険」
 生活サポートサービス「超保険アシスト」
 24時間365日受付
(内容)
 水回りのトラブル(トイレのつまり、台所・浴室・洗面所のパイプのつまり、蛇口・排水パイプ等からの水漏れ等)が発生した場合に、専門会社による応急処置を行います(1年間に1回限度)。
※出張料と応急処置作業料は無料です。部品代、高圧洗浄・掘削作業等の特殊作業に関する費用、本修理費用についてはお客様のご負担となります。
※水漏れで生じた汚れには、ハウスクリーニング会社を無料でご紹介します。(編註:ハウスクリーニング費は契約者負担)

(2)損害保険ジャパン「THE すまいの保険」「THE 家財の保険」
 すまいと暮らしのアシスタントダイヤル
 24時間365日受付
(内容)
 日常生活やお住まいのトラブル等でお困りの際に、専門業者を手配しての応急処置や、お電話でのご相談等に対応するサービスです。詳細につきましては、ご契約のしおりに記載の「すまいとくらしのアシスタントダイヤル」サービス利用規約をご参照ください

(3)三井住友海上火災保険「GK 住まいの保険」
 暮らしのQQ隊
 24時間365日受付
(内容)
「フルサポートプラン」「セレクト(水災なし)プラン」限定のサービスです。
ご利用の際は、事前に専用ダイヤル(無料)にお電話いただくことがサービス提供の条件となります。30分程度の応急修理に要する作業料、出張料は無料です。
(部品代および30分程度の応急修理を超える作業料はお客さまのご負担となります。)給排水管やトイレの詰まり、故障に伴う水のあふれ等が生じた場合に、専門の業者を手配し、その業者が直接応急修理を行います。

(4)あいおいニッセイ損保同和「タフ・住まいの保険」
 すまいの現場急行サービス
 24時間365日受付
(内容)
 現場での30分以内の一時的な応急修理(トイレのつまりの除去、給・排水管のつまりの除去、給・排水管の故障によるあふれの原因箇所の応急修理)費用(出張料および作業料)を無料とします。すまいの現場急行サービスのご利用は、あんしんサポートセンター(0120-985-024)にご連絡いただき、当社がサービス提供を委託するMS&ADグランアシスタンス(株)が手配する業者をご利用いただくことが条件となります。

 MS&ADグランアシスタンス(株)が手配する業者以外で、お客さま自らが業者を手配し応急処理を行う場合は、業者を手配される前にあんしんサポートセンターにご連絡ください。この場合に限り、10,000円を限度に実費をお支払いします。各種部品代・カギ作製代、30分を超える応急処理・作業の延長料金などはお客さまの負担となります。

(5)ソニー損保「新ネット火災保険」
 すまいの緊急かけつけサービス
 24時間365日受付
(内容)
 お客様全員が利用でき、追加費用はかかりません。本サービスの対象建物は、当社の新ネット火災保険の対象となる建物とします。ただし、被保険者(保険の対象の所有者)が専有・占有する居住部分に限ります。
※ 居住部分以外である車庫、倉庫、敷地内の散水栓等は本サービスの対象となりません。
※ 30分程度の軽作業が対象となります。なお、部品交換等にかかる部品代やガラス交換時のガラス代、これらの作業料はお客様のご負担となります。

(6)SBI損保「住まいの保険」
 SBI損保ハウスサポートサービス
 24時間365日受付
(内容)
 30分程度の軽作業(特殊作業を必要としない応急処置)を無料にてご利用いただけます。
・家庭内の給排水設備、給水管詰まりを除去します。
・トイレの詰まりを除去します。
・家屋内の給排水管の水漏れ等のトラブルに対する応急処置を行います。

東京電力系のサービスも

 過去に火災保険の付帯サービスを利用した人に上手な利用方法を聞いた。

・余裕のあるときに保険会社のサービス窓口に電話をして、無料の範囲や追加料金の内容を確認する。また、高額になりそうな時は、応急処置だけでも頼めるのかどうか事前確認もしておく
・分かりやすい場所にサービス窓口の電話番号を貼っておく
・依頼する時は、いつから、どんな場所で発生し、どの程度の水漏れなのかを正確に伝える
・修理の担当が来たら、再度、料金の確認をする
・対応が悪ければ、保険会社に連絡をする

 東京電力エナジーパートナーも、電気機器の故障や、水漏れ、カギ、窓ガラス等のトラブルに対するサービスがある。電気やガスなどの対象となるプランを契約していれば、月額330円で24時間365日受付してもらえる。

 サービス内容は、水のトラブルは90分までの作業は無料、2万円を上限として部品代は無料となる。ただし、すべてが対象とはならない。建物外部、集合住宅共有部、店舗等のトラブル、給排水設備、トイレ以外の箇所のトラブル(エアコン、給湯器、食洗器、温水洗浄便座、ディスポーザーなど)、高圧洗浄等の特殊作業、蛇口、給水管または排水管の凍結を原因とするトラブル、雨どい、ベランダや建物外の排水溝などは対象外となる、

「まさか」は、いつ起こるかもしれない。そんな時に冷静な判断をするためにも、日頃から付帯サービスや特典のチェックはしておきたい。

(文=鬼塚眞子/ジャーナリスト、一般社団法人介護相続コンシェルジュ協会代表)

鬼塚眞子/ジャーナリスト、一般社団法人介護相続コンシェルジュ協会代表

鬼塚眞子/ジャーナリスト、一般社団法人介護相続コンシェルジュ協会代表

出版社勤務後、出産を機に専業主婦に。10年間のブランク後、保険会社のカスタマーサービス職員になるも、両足のケガを機に退職。業界紙の記者に転職。その後、保険ジャーナリスト・ファイナンシャルプランナーとして独立。両親の遠距離介護をきっかけに(社)介護相続コンシェルジュを設立。企業の従業員の生活や人生にかかるセミナーや相談業務を担当。テレビ・ラジオ・新聞・雑誌などで活躍
介護相続コンシェルジュ協会HP

Twitter:@kscegao

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