加えて、時間足や分足もフルに活用しよう。1時間足で4月以降の米ドルの値動きを見ると、82円99銭を高値に、以降、1時間単位での最安値は下落を続けている。ただし1米ドル/81円を切り、80円近くをつけると反発上昇、81円10銭を超えると反落する傾向が見られる。つまり1時間足で見ると、80円半ばから81円10銭付近のレンジで相場が動くレンジ相場であることが読み取れる。この状況であれば、
・80円半ばとなれば買い
・81円10銭をつければ決済売り
・81円10銭をつければ空売り
・80円半ばで返済買い
を行えば利益は出しやすい。
ただし手間がかかるわりに、利益が少ないのが難点だ。そこで、先に述べた逆指値を活用、大きく利益を上げたい。
具体的な方法はこうだ。まず先行き下落トレンドが続くと予測する場合、
・一度高値をつけると考えるならば、81円10銭付近で、価格が上がったら「買い」、価格が下がったら「売り」という注文=指値で「売り注文」を行う。
・これに加えて、このまま下落が続くと考えるならば80円半ばで逆指値で売り注文を行う。
逆に、米ドルはすでに上昇トレンドへと転換しており、先行き値動きは上昇すると予測する場合、
・80円半ばで買い指値を行う。
・加えて、このまま値動きの上昇が続くと考えるならば81円10銭付近で買い逆指値を行う。
あるいは、米ドルは、先行き、大きく上昇もしくは下落すると予測するならば、
・81円10銭付近で買い注文(逆指値)を行う。
・そして80円半ば付近で売り注文(逆指値)を行う。
このように指値と逆指値の組み合わせ、もしくは逆指値同士の組み合わせで、米ドルの値動きが上下どちらに振れても利益を上げられる可能性がある(ただし値動きが乱高下した場合には、この仕掛けは必ずしも有効ではない)。
米ドルの値動きが膠着している今、絶好の取引タイミングとは?
さて、ここで注意したいのは、12年に入ってから為替市場では、米ドル、ユーロなどの主要通貨が円に対して上昇したのは、欧州危機でギリシャに関する悲観論が後退したことによる。とはいえ、スペイン、ポルトガル、イタリアなどの諸国も、その経済情勢において、さまざまな不安材料がくすぶるところ。
また市場とは、どういうわけか悲観論が後退、誰もが上げ相場と思えば、突如として悪材料が出て、大きな下げ相場へと転ずるものだ。材料は、不思議と投資家が身動きの取れない休日などに出てくることが多い。そのため特にゴールデンウィーク中の値動きは要注意だ。ギリシャほか、欧州各国から、市場へのインパクトが強い悪材料が出てくる可能性も拭い去れない。