「時間がないから掃除ができない」
「新しいことにチャレンジしようにも時間がない」
というように、私たちは「時間がない」ということを何かをやらないための言い訳にしがちだ。
どんな人でも1週間は7日間、1日24時間を平等に与えられている。忙しいのは確かだとしても「時間がなくてできないこと」がある人は、自分の時間の使い方を見直してみてもいいだろう。
■「1週間のうち仕事で使えるのは5日」?
『やりたいことを全部やる!時間術』(臼井由妃著、日本経済新聞出版社刊)は、ロングセラー『1週間は金曜日から始めなさい』(2006年刊)を時代に合わせて大幅に加筆し、再構成した1冊。著述家・講演家の臼井由妃氏が、時間と心に余裕ができる時間術を紹介しているのだが、ユニークなのは、やりたいことをしっかりやるスケジュールを組むために「1週間は金曜日から始まる」と考える点だ。
1週間の始まりは月曜日から、と考える人が大半だろう。しかし、臼井氏によると「1週間は金曜日から始める」ことによって時間密度を高めることができるという。
では、具体的に臼井氏のスケジュールを見てみよう。まず、臼井氏には「1週間のうち仕事で使えるのは5日間」という概念がなく、「1週間は月曜日から水曜日までの3日間」と考えている。その3日間で仕事は終わらせるようにしているのだ。
「1週間は5日間」と考えると、その週の予定を考えるとき、やらなければいけない仕事を5日間で割ってしまいやすい。そうなると、目先の仕事に追われ、最終的に最後の金曜日にタスクが詰まってしまうことになる。
しかし、その週にやるべき業務を月曜日から水曜日までの3日間で終えると状況は変わってくる。その際は重要で、締め切りがあり、かけた時間に対して対価が短期的に返ってくる回収度の高い仕事をこの3日で優先的に行う。そして、木曜日は、仕事の進み具合や仕事の問題点をチェックする日に使う。
最後の金曜日は「攻撃の日」となる。これが「1週間は金曜日から始める」の意味。
翌週の仕事に備え、資料の準備やアポイントの確認をする。こうすることで翌週、月曜日からの準備が万端の状態になり、1週間全体の時間密度が高まるのだ。そして、普段は忙しくて頭が回らないような中期的な未来のことを考える。この金曜日の使い方が、翌週のみならず、長い人生において大きな影響を与えるのだ。
金曜日には将来のことを考える、翌週に備える。月、火、水曜日でやるべきことを終わらせ、木曜日に検証と反省をする。この1週間のリズムをつくると、どんなにその週が忙しくてもモチベーションが下がらないという。忙しさに追われるのではなく、将来についても考える時間ができて、未来に向かって一歩一歩積み重ねていることがわかるからだ。
時間に追われるのではなく、自分自身で時間を支配することで、仕事のモチベーションも保て、プライベートも充実した時間を過ごせるようになる。「時間がない」が口癖になっている人は、「金曜日から1週間を始める」時間の使い方を実践してみてはどうだろう。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。