「デキる人」より「周囲から好感を持たれる人」のほうが成功できる“当然の理由”
人はどんな相手を助けたくなるのか
「ナイスになる」とは、どういうことでしょうか。ここでは返事の仕方やその際の表情を例に考えてみましょう。無愛想だったり、無関心だったりすれば、相手を思いやっているようには見えませんから、ナイスではなく、好きになってもらえるものではありません。
あなたが営業で外回りから帰ってきたとしましょう。暑い中、あるいは寒い中を走り回り、苦労して受注した書類をアシスタントの女性に渡すシーンを想像してください。アシスタントはあなたのほうを見向きもせず、横を向いたまま「そこに置いといてください」と無愛想に受け答えしました。このような態度のアシスタントに好感を持つ人はいないはずで、むしろ負の感情を持つ人のほうが多いものです。
しかしこうした態度ではなく、受注した書類を渡したあなたに微笑んで、ねぎらいの言葉をかけてくれる人ならば、あなたの感じることはまるで違ってくるのではないでしょうか。
そっぽを向いて返事をするアシスタントのために何かをしてあげたいと思う人はいないものです。しかし、あなたに気遣いをしてくれるアシスタントが困っているときがあれば、そのときには助けてあげたいと思うでしょう。
職場の人たちを思い浮かべてみると、どちらのタイプの人がいるでしょうか。
どんな振る舞いが好感度を高めるのか
ナイスパーソンになるには、何か特別なことをする必要はありません。出張帰りにおみやげを買ってくるとか、ランチをおごるといったことでナイスな人になれるわけではありません。私たちはそうしたこととは別のかたちで、相手のことを「認めている」「大事にしている」「気にかけている」という姿勢を見せることが必要です。なぜなら人は誰でも、周囲にそうしてもらいたいと願っているからです。
そのことを意識し、好感度を高めようと思えば、私たちの振る舞い方は変わってくるはずです。たとえばエレベーターに乗り込んで扉のそばに立ったときに、周囲にも人がいるのに自分の行きたいフロアのボタンだけを押して仏頂面で突っ立っているのではなく、他の人が行きたいフロアのボタンも押してあげるくらいは、普通にできるようになるはずです。これらの振る舞いの違いは何かといえば、前者は周りの人のことを気にかけていませんが、後者は一緒にエレベーターに乗り込んだ他の人たちのことも思いやっている点です。