春は異動の季節だ。
「商品開発部に異動になって、慣れない企画提案をすることに」
「会議で新しいイベントのアイディアを毎週出さなければいけない」
そう悩んでいるビジネスパーソンは少なくないだろう。周りから一目置かれるような企画を生み出すための、新たな発想法のヒントをお伝えしたい。
2011年にデビューし、『海色の壜』『家族スクランブル』などを出版。「海酒」はピース・又吉直樹主演で映画化され、カンヌ国際映画祭にも出品予定となっている。
そんな田丸さんは、SSの普及を目的に、全国の学校や書店でSS講座を開催している。講座ではオリジナルのワークシートが用いられ、手順に沿ってシートに記入していけば90分後には作品が出来上がっている。小説を書いたことがない素人でも、たった90分で作家になれるのだ。
この講座は、実はビジネスにも役立つという。田丸さんは「SSはアイディアを広げるための発想力と、それをまとめていくための論理的思考力が求められます。右脳と左脳を同時に使うので、とてもいい脳トレにもなりますよ」と説明する。
具体的な方法
では、SSはどのようにつくられていくのだろうか。講座で使われているワークシート(1)を見てみよう。
まずこのワークシート(1)に、思いついた名詞を無作為に20個記入していく。そのなかからひとつを選び、名詞から連想されることを10個書き出す。たとえば「太陽」であれば、「発電に使える」「マグマみたい」「皆既日食」「ぽかぽかする」などである。10個書き出したら、先ほど挙げた20個の名詞と組み合わせて、不思議な言葉をつくっていく。以下の例を参照いただきたい。
上の図にあるような、「発電に使えるタコ」「ぽかぽかする傘」など、色々な組み合わせが考えられる。
続いてワークシート(2)に移り、出来上がった不思議な言葉について、想像をふくらませていく。