イライラ、不安、焦りを感じると、決まって呼吸が浅くなる。
この仕事を始めて2年足らずの駆け出しライターである筆者の場合、「取材仕事」の時の緊張でこうなることが多い。
「このままではマズい」と思い、1年ほど前から地元の寺で開かれている坐禅会へ定期的に通うようになった。
ところで、坐禅を組む時、住職が口酸っぱく言うのは「自分の呼吸に意識を集中せよ」ということ。禅の世界では「調身・調息・調心」(正しい姿勢、正しい呼吸法で坐禅を組めるようになれば、心身ともに整うという意)という言葉があるほど、「呼吸」に重きを置いているのだ。
■「呼吸」に目を向けることで、深い癒しを得る
坐禅によって「呼吸」に関心が強まっていた自分にとって、『呼吸が変われば人生が変わる 夢をかなえる一番シンプルな方法』(アンディ カポニーロ /著、 大沢 章子/訳、シャスタインターナショナル/刊)の中の「わたしたちの身体と心の精神の健康は、呼吸の健康に決まる」という一節は、無視できないものだった。
タイトルどおり、呼吸の重要性に着目する本書では、その方法論の一つを「呼吸による瞑想法」としてまとめ、紹介している。
これは、自分の呼吸を見つめることで心を静め、瞑想的な状態へ自分を持っていくことを目指すもの。
ここでは、「呼吸による瞑想法」を実践するにあたってのポイントを整理しよう。
●背筋を伸ばした楽な姿勢で座り、目を閉じて呼吸に意識を集中する。
●呼吸を意識する方法は、息を吸ったり吐いたりするときに上下する胸の動きを意識する等、何でもOK。とにかく「呼吸を追いかける」という意識を持つこと。
●自分の呼吸の仕方に気づいたとして、それを無理に変えようとしないこと。たとえば、「呼吸が浅い」と感じても「もっと深くしよう」と考えない。
●ただ、呼吸を追いかけ、見守り、瞑想の力によって次第に身体がリラックスしていくのを感じ取る。このように心が呼吸に集中しきることで、たまっていた緊張感やストレスは、自然と身体から「離れていく」感覚を得ることができるという。
●瞑想を一通り終えたら、そのときの心の状態を壊さないように、ゆっくりと静かに目を開けていく。また、立ち上がって部屋のなかを歩きはじめたあとも、できるだけその状態を長く保つよう努めること。
ちなみに、「呼吸による瞑想法」の所要時間は、一日で合計45分から1時間ほど。
朝起きてすぐの朝食前に15分~20分、日中はこまめに2~3分ほどの瞑想タイムを設ける、就寝前に数分の瞑想をおこなうといった点を意識するだけで十分だ。
本書を読み終えた直後、ちょうど取材仕事が入ったので試してみた。結構な大物相手の案件だったのだが、いつになく落ち着いて話を聞くことができたように思う。あがり症の人は試してみてはいかがだろう。
(新刊JP編集部)
関連記事
・運動になる? 瞑想を取り入れた呼吸法 瞑想呼吸とは
・花粉症の季節。「汚い靴下」と同じ!? 鼻づまりの人は口臭にご注意
・痩せやすい身体になる呼吸法とは
・緊張で実力が出せない人のための呼吸法
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。