馬淵: まず2014年に海外事業戦略の第一歩として、マレーシアに現地法人となる「ALMEX SYSTEM TECHNOLOGY ASIA(以下「ASTA」)」を設立しました。
初の海外拠点としてマレーシアを選んだ理由はいくつかありますが、一つには「2020年に先進国入りをめざす」という目標に向けて、国全体で動いていることがあげられます。
将来的には現在の中国や韓国、香港のように存在感を増してくることが予測され、とても注目されている市場です。
2016年1月にはマレーシア最大規模の病院グループであるパンタイ病院クアラルンプールへの自動再来受付機トライアル導入を決め、実際に7月から稼動させています。
■今後注目するのは「ソーシャルロボット」と「Fintech」
――では、国内市場はいかがでしょうか。
馬淵: 国内市場については、増えているインバウンド観光客への対応が求められています。製品・サービスの多言語化を進めるなど、ホテルと観光客との接点をスムーズに繋いでいくことが私たちの使命のひとつでもあります。
また、大都市圏で顕著にあらわれ始めている宿泊施設不足を解決するための施策として、レジャーホテルの活用が挙げられます。
日本独自ともいえるレジャーホテルの文化を理解した上で積極的にご利用して頂くため、レジャーホテルの紹介に特化したポータルサイト「Loveinn Japan」をリリースし、今後は現在の英語表示に加え、多言語化への対応や宿泊予約システムを実装していく予定です。
また、他にも、新たな宿泊形態である「民泊」事業への参入として、当社省人化・省力化システムの民泊宿泊施設への提供に向けて着手をしています。
――本書では、医療機関に向けても事業を展開されていることが説明されていますね。
馬淵: 医療機関向け事業においては、クリニックや調剤薬局など周辺施設向けの製品・サービス展開を強化していくなど、各事業において、これまでの事業展開を超えた取り組みを進めています。
――今後、テクノロジーの分野では人工知能(AI)やバーチャルリアリティ(VR)が主軸になっていくことが予想されますが、アルメックス社としてはこうした技術についてどのような活用を考えていますか?
馬淵: AIとIoT(Internet of Things)を組み合わせたソーシャルロボットと新しい決済手段となる可能性を秘めるFintechの技術分野に注力していきたいと考えています。
人間とのコミュニケーションを主眼に置いたソーシャルロボットは、高齢化が急激に進む日本において、今後幅広い活用を考えることができるはずです。また、ビットコインやネットバンキングの広がりなどめざましい変化を遂げているFintech分野も注目しています。
――アルメックス社はどのような企業風土をお持ちなのか、その特徴について教えてください。
馬淵: 当社の企業風土は、「テクノホスピタリティの創造」という一語で表すことができます。テクノホスピタリティとは、TechnologyとHospitalityを掛け合わせた造語です。
最新のテクノロジーを駆使し、絶えず革新を繰り返していくトータルソリューション製品・サービスによって、日本はもとより世界中の利用者・エンドユーザーの方々に対してホスピタリティをご提供していく、そういった想いを込めています。
――最後に2006年にUSENのグループ企業となりましたが、現在はどのように連携をされているのか、今後どのような事業展開を進めていこうと考えているのかお聞かせ下さい。
馬淵: 現在、当社はUSENグループの中核事業のひとつとなるまでに成長を遂げました。
今後はインバウンド戦略、アウトバウンド戦略、ソーシャルロボット戦略、Fintech技術戦略という4つの事業戦略のもと、社会に対して省人化・省力化・効率化のソリューションシステムを提供する断トツナンバーワン・プレーヤーを目指していきます。
(了)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。