限られた時間と、積みあがるタスク。仕事は時間との戦いであり、負ければ成果は上がらず、プライベートの時間も削られる。
与えられた時間内で、最大限の結果を出すためには何が必要か? という問いに対して「インプット力の増強」は一つの答えだろう。文字を読む速度が3倍になれば、その分仕事は効率化する。
しかし、速読日本一の経験を持つ角田和将氏の『行動する時間を生み、最速で結果を出す 速読思考』(朝日新聞出版刊)によると、「速読」の効果はこれだけにとどまらず、判断は思考もスピードアップするという。
そんな角田氏に、速読能力が意思決定や思考に与える影響についてお話を聞いた。
■「意思決定が遅い人」がまず改善すべきポイントとは
――速読が身につくにつれて、考える速度や意思決定の速度も上がる、というのはわかる気がします。これは自然に速くなっていくものなのでしょうか。
角田: そうですね。高速で読んで、高速で情報処理することに脳が慣れてくると、それにつれて判断や思考のスピードも自然に上がっていきます。
これは特別なことではなくて、考えたり判断するための材料を速く大量に揃えることができるので、判断も思考も速くできるということです。
――素早く読めて、素早く考えられても、決断を下すとなると迷ってしまうこともありそうです。
角田: 反射的に「こうかな?」と思ったことは頭の片隅に置いておきます。それでもう少し話を聞いたり、調べたりして間違いないなと思ったら、その決断の方向に進むという感じですね。
――最初の決断が調べていくうちに覆ることもありますか?
角田: 考えるための材料が間違っていたり、話の前提が崩れない限りは、最初に反射的に出た結論が覆ることはまずないですね。
反射的に、といっても普段から必要な情報はインプットしているわけで、勘で判断しているわけではないので。
ただ、その決断を伝えるタイミングは相手次第、というのは覚えておいてほしいと思います。判断のスピードが速すぎると「ちゃんと考えてないんじゃないか」と思う人もいるので、そこは相手に合わせた方が波風立たないと思います(笑)。
――考える力やアウトプットする能力はあっても、スピードが遅いと職場での評価は低くなりがちです。こういった方々に向けてアドバイスをいただければと思います。
角田: 「自分は仕事が遅い」と感じている人は、自分が下す決断に自信が持てないから、考えるのに時間をかけすぎてなかなか行動に移せないという面があるのではないかと思います。
ただ、それも結局はインプット量が足りないというところにつながってくるんです。判断材料が少ないからこそ決断に時間がかかったり、決断に自信が持てなかったりするわけで。
アウトプットに時間をかけることが必ずしも悪いことではありません。ただ、インプット量を増やしていけば、結果的にアウトプットまでの時間は必ず短くなるんです。そうなれば、まずは一度アウトプットしたものをブラッシュアップしていくことが可能になる。
結果的にはその方がまちがいなく質のいいものができるはずなので、まずは短時間に大量のインプットができるように、速読の力を身につけるところから始めてみていただきたいですね。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。