Yahoo!も注目!? gloops新オフィス、100mホワイトボードでブランド向上!
そうして着々と移転準備を進めているなかで、「ループライン(環状線)」という構想を提案してきた会社があった。この構想は、コミュニケーションの視点からオフィス内の動線を重視しようというもので、従来からあるセオリーのひとつにすぎなかった。しかし、梶原会長は、「ループライン」という言葉が社名「gloops」に重なるのが気に入り、コミュニケーションの活発化も達成できそうと感じた。このプランを持ち込んだのが、冒頭の小栗氏だった。人が歩く動線をオフィスの片側にまとめ、その動線に社員が自然と集まるようにし、そこ以外の、プロジェクト単位で島が配置されているオフィス空間を社員が回遊できる設計にした。
移転作業は両社が一体となって進め、オフィス移転の直接的な要因となったミーティングスペース不足に対しては、並々ならぬ力を注いだ。極めつけは、いつでもどこでもミーティングができるように、社員の動線となるループライン沿いの壁面に取り付けられた、全長100mにおよぶホワイトボードだ。そばにボードがあれば、思いついたことをすぐ書き込んで、その場で意見を交わすことができるというわけだ。また、デスクの島ごとにピンク、ブルー、グリーンなどに色分けされた番地のようなプレートが付けられており、広い社内でも目的の島を容易に見つけることができる。
ミーティング場所は方々に設けられているが、圧巻はかなり広めにとられたコミュニケーションスペースである。カウンター、円形テーブル、対面式ソファ、さらに個室会議室、スタンドミーティング、オープンミーティング、ファミレスタイプ、畳敷き(軽いストレッチにも使える)などなど。ミーティングの内容によって、それに見合った場所が選べるような仕組みが考えられている。ここは社員全員が参加する朝礼の場所としても利用できる広さがあり、フロアの片側に延びるループライン上を伸び伸びと歩くことが出来る。。また、この広いフロアには社長室がない。社員の顔が見える位置でリーダーシップを発揮していきたいという、梶原会長の注文だったという。
以上のような取り組みの結果、かなりユニークなオフィスが出来上がったわけだが、これはどんな経営効果をもたらしたのだろうか?
社内の各部門からは、
「社員が会社を誇りに思うようになった」
「オフィスの存在がこれほど大きいとは思わなかった」
「来社された取引先等が帰ってから必ず話題にしている」
といった声が上がっている。取引先の会社で、この新オフィスの話題が出ることがある、と喜ぶスタッフも少なくない。