ザ・ビートルズの公式ドキュメンタリー映画『ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK The Touring Years』が9月22日に公開された。
ビートルズといえばレジェンド中のレジェンドではあるが、1960年代のバンド。それでも、映画は若い世代からを支持を得ているという。
ビートルズは当時から先進的な音楽を繰り広げ、その後のポップミュージックに多大な影響を残した。例えば、彼らが作ったテレビ映画『マジカル・ミステリー・ツアー』は後に隆盛を極めるプロモーションビデオの先駆けの一つと言われている。
こうした、常に斬新な表現を提示してきたビートルズを評価し影響を公言するクリエイターは後を絶たない。
ダウンタウンのブレーンとして知られる放送作家の倉本美津留さんも、『ビートル頭(ず)』(主婦の友社刊)という本でビートルズの発想力を取り上げつつ、クリエイティブな人たちの行動や考え方に迫っている。
■全く違う2人だからこそ、斬新でクオリティの高い楽曲が作られた
ビートルズの楽曲の多くはジョン・レノンとポール・マッカートニーによって作られたものだ。
とはいえ、この2人、それぞれ全く違う性格の持ち主。新しいものをガンガン作って、自分の考えを貫き通したいジョンと、コミュニケーション能力が高く、みんなから受け入れられたいポール。
この2人が互いに切磋琢磨することで、ビートルズの楽曲が磨かれていったといえる。
実は、こうした全く違う性格を持つ2人の切磋琢磨がして成功ケースが他にもある。倉本さんはここでお笑いコンビのダウンタウンを引き合いに出す。
ジョンが松本人志で、ポールが浜田雅功。松本さんは「誰もやっていない笑いを作りたい」と考え、浜田さんはダウンタウンをメジャーにもっていきたいと思い、行動してきた。そんな正反対の2人だったからこそ、新しい漫才のスタイルを確立できたのだろう。
今までにない新しいものを作るためには、価値観や考え方の違う仲間の存在が不可欠なのだ。
■時間がない時ほど「ひらめきのチャンス」
アイデアや企画を考える際は「ゆっくり時間を取れる時にやろう」というのが一般的ですが、脳はギリギリの状態であればあるほどフル回転するもの。
アルバムを作りつつ、それとは別にシングルも出し、世界中をコンサートで回っていたビートルズ。まさに「Eight Days A Week」(「1週間に8日も仕事があるなんて」というリンゴ・スターの言葉が元になって作られたタイトル)だったのだ。
そんな状況下でも名曲を作り続けた彼らは、時間がないというプレッシャーを創造の力に変えていたのかもしれない。
良質なアイデアを出すためには、あえて時間のないギリギリの状況に自分を追い込んでみるのも一つの方法だといえる。
■何事もカッチリやらないようにする
アイデアを形にするとき、完璧主義に陥ってしまうことはないだろうか。その結果、せっかくアイデアがしっちゃかめっちゃかになり、形にできないまま投げ捨ててしまう。