「直観」を信じて行動してみると、意外と上手くいった。そんな経験をしたことはないだろうか。
もちろん、失敗することもあるだろう。でも、純粋に自分自身の決断なのだから後悔はそこまで膨らまない。しかもその「直観」は、「直観力」として鍛えることができるというのだ。
それが、メンタリストのDaiGoさんが執筆した『直観力』(リベラル社刊)である。
本書では、「直観」を脳の意思決定プロセスと定義し、天性のものではなく、誰でも使える能力だと述べる。その力を伸ばしていけば、間違いのない選択がすぐにできるようになり、人生が豊かになっていくのである。
DaiGoさんはこの直観を働かせるために、大切な3つの「直観の原則」を述べている。
1.最強の根拠は「なんとなく」
「なんとなく、これを選んだ」「なんとなく、行きたくない」といった直観は、実はほぼ当たるのだ。イスラエルのとある大学の研究でも、人間の直観は90%近い確率で的中すると証明されているという。
DaiGoさんは、「脳がこれまでインプットしてきた経験や学習のデータベースから無意識に手がかかりやヒントを見つけてそっと教えてくれる答え」と直観を定義づける。「なんとなく」という感覚には、過去の経験の記憶という立派な根拠や裏づけがあるのだ。
2.直観は「技術」である
子どもの頃、乗れなかった自転車に一度乗れると、ずっと乗れてしまうように、経験や身体に刻み込まれた記憶によって身体が動くことがある。これと直観はほぼ同じメカニズムなのだという。
DaiGoさんの考えは、直観は記憶や経験、知識を積み重ねれば鍛えられるものだということ。
確かにいろいろな人に出会っていると、だんだん「この人はちょっと胡散臭いな」「嘘をついているな」というのがパッと見て感じられる場面が増えてくる。その精度も経験を積むごとに上がっていくのだ。こうした「直観力」は生きていく上でも役に立つだろう。
3.「行動」なくして直観なし
ただ、「直観が当たらない」と思う人もいるだろう。それは、自分の直観に対して行動していない可能性がある。直観が鋭い人とは「自分の直観に従って行動できる人」だとDaiGoさん。一方で直観が当たらない人は、直観を感じても何やかんやの理由で「行動に移さない人」のことだと述べる。
映画にしてもCDにしても本にしても、こうしたことは起こり得る。最初に「これ面白そう!」と思っても、「でもやっぱりヒット作品に…」と選択を変えたところ後悔したという経験はあるはずだ。
些細なことから大きなことまで、人生は決断を迫られることばかり。考えすぎてなかなか行動に移せないこともある。
そんなとき、直観に委ねてみるのもいいかもしれない。「自分の直観を信じる力=直感力の高さ」であるという。信じることができれば、後悔をしないで済むのだ。
新年度、直観力を磨いて、物事を決断してみてほしい。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。