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~ビー・バップ・ハイスクール!出演者のその後を追ってみた!!~

不良のバイブル、1985年の『ビー・バップ・ハイスクール』出演者のその後を調べました。

文・構成=ミドルエッジ

 BJ読者の皆さまはいま何歳ですか、そして皆さまにとって「懐かしい」とはどんな情景でしょうか。1970~90年代、家庭の茶の間から学校の放課後。人それぞれ「懐かしい」は無数に存在すると思います。そんな膨大な「懐かしい」が集まるサイトがミドルエッジ。私たちの記憶をくすぐる「懐かしい」が圧倒的なボリュームで揃っています。

 そして数ある「懐かしい」の中から厳選した記事をお届けするのがこの連載。

 忙しい日常にちょっと一息、缶コーヒーでも飲むような気持でご覧になっていただけましたら幸いです。

 さて、今回は映画『ビー・バップ・ハイスクール(BE-BOP-HIGHSCHOOL)』出演者の今にスポットライトを当ててみました。長ラン、短ラン、ボンタン、ドカン。ツッパリ全盛期だったあの時代にビー・バップの真似をした読者の方も多いのではないでしょうか。

bebop01.jpg『ビー・バップ・ハイスクール』DVDジャケットより

『ビー・バップ・ハイスクール』は、きうちかずひろ氏が1983年から2003年まで週刊ヤングマガジン(講談社)で連載した不良学生青春漫画。原作の内容はツッパリ不良の高校生、留年問題児コンビのトオルとヒロシが喧嘩や恋に明け暮れる姿を描いています。この漫画が人気になったのは主人公が超人的に強いと描かれることなく(強いことは強いですが)、「等身大」の不良高校生の日常風景をリアルに伝えた点でした。

 原作人気に乗じて1985年に公開された映画『ビー・バップ・ハイスクール』は、ギャグとアクション満載の痛快青春映画として大ヒット、88年までに通算6作も制作される人気シリーズとなりました。

 さまざまな俳優やアイドル、その他諸々、大勢の個性的な面々が映画『ビー・バップ・ハイスクール』には出演していました。その後、大出世を遂げた人もいれば、お目にかかれなくなった人もいます。キャラクターごとに当時から現在にかけて演じられた方々のその後を追ってみます!

●まずは、主人公のひとり「中間徹/仲村トオル」。
 私立愛徳高等学校の2年生、短気だけれど硬派で卑怯なケンカは大嫌い。中学時代のあだ名は「狂犬病」。名前のモデルは原作者きうちかずひろ氏のアシスタントと言われています。

 トオルを演じたのは、この映画のオーディションで主役を任される事になった仲村トオル。この役を任された理由のひとつとして主人公に名前が似ていたという話は有名ですね。『ビー・バップ』出演後は『あぶない刑事』で演じたトオル(町田透役)も有名で、その後も俳優として幅広く活動しています。奥さんは「鉄骨娘」のCMで一世風靡した女優の鷲尾いさ子です。

bebop02.jpg仲村トオル出演『あぶない刑事』DVDジャケットより

●そしてもうひとりの主人公「加藤浩志/清水宏次朗」。
 私立愛徳高等学校2年生でトオルとはクラスメイト。スケベで軟派、ひょうきんと相棒のトオルとは正反対。ケンカの強さはトオルと互角ですが手段を選ばない所があります。口達者ですが、その口が災いしてトラブルメーカーとなることも。中学時代のあだ名は「火の玉」。ヒロシの誕生日9月14日は、実は原作者きうちかずひろ氏と一緒です。

 ヒロシ役の清水宏次朗は『ビー・バップ・ハイスクール』主演オーディションの時、てっきり先生役だと思い込んでいたというのは有名な話。彼はもともと竹の子族として原宿で踊っていたところをスカウトされ、竹宏治の芸名で歌手活動を行っていました。シリーズ終了後はVシネマ出演や飲食業を営んでいましたが、最近では病気療養で休養状態とのうわさ。早期復帰を望みます。

bebop03.jpg清水宏次朗主演『関東極道連合会 第三章』DVDジャケットより

●脇を固めるヒロインは、私立愛徳高校のマドンナ「泉今日子/中山美穂」。
 トオルとヒロシのクラスメイトで暴力が大嫌い、でも何故か2人の事は気にかけてしまいます。連載当初はトオルとヒロシが今日子を奪い合う図式だったのですが、今日子本人はどちらかを選ぶ事ができず、悩んだ末に2人とも選ばないという結末に。モデルは、もちろん歌手の小泉今日子です。

 今日子を演じたミポリンこと中山美穂は、ドラマ『毎度おさわがせします』のツッパリ少女のどか役で女優デビューし、体当たりの演技で注目を浴びることになりました。ドラマ終了後、アイドル歌手としてもデビュー、映画初出演作となったのがこの『ビー・バップ』でした。その後、歌手としてだけではなく女優としても活躍し、『ママはアイドル』『君の瞳に恋してる!』など大ヒットを重ねて地位を確立します。一方、私生活では辻仁成と結婚も14年に離婚。一時は海外で休業状態だった女優業も、17年にはドラマ『貴族探偵』でメイドの「田中」役として元気な姿を見せています。

bebop04.jpg中山美穂主演『君の瞳に恋してる!』DVDジャケットより

●忘れてはいけないもう1人の美女「三原山順子/宮崎ますみ」。
 私立愛徳高校に転校してきたツッパリ。トオルとヒロシに惚れられる順子は、今日子同様どちらかを彼氏にしようと考えたわけですが、坊主頭が嫌いな彼女は2人がともに坊主頭になることを知り、結局2人とはつき合いませんでした。授業はサボるのに頭が良い順子。県立立花商業高校のナンバー1・菊永(キクリン)に惚れられたり、シンゴに口説かれたりと男性に惚れられることが多く、本作でもっともモテた女性でした。モデルは元歌手で現参議院議員の三原じゅん子。

 個人的にこの役は三原じゅん子に演じてもらいたかったのですが、順子役を演じたのは宮崎ますみ。やはり冷たさがどこかにある美女でした。彼女は83年に映画『アイコ十六歳』で芸能界デビューしていますが、名が知られるようになったのは85年にクラリオンガールに選ばれてからです。その後、映画『XX美しき凶器』(93年)や『屋根裏の散歩者』(94年)に出演した際はヌードが話題に、そして有名な写真集『XX-HOLY BODY』『XXX』ではヘアヌードも披露し活躍しました。94年にカメラマンと結婚して渡米、芸能活動を休止しますが07年に離婚。芸能活動再開後に乳がんとなりますが病を克服し、最近では「世田谷自然食品」のCMに出演しています。

bebop05.jpg宮崎ますみ主演『XX ダブルエックス 美しき凶器』DVDジャケットより

●トオル、ヒロシのとなりのクラスで押しかけ舎弟の「兼子信雄/古川勉」。
 喧嘩が弱く、小心者で強くなりたい一心で2人の舎弟入りをします。追い詰められるとテンパって相手を苛立たせる事が多く、トオルとヒロシはそのとばっちりを受けるというような役回りが多かった印象です。サラシに短いドスのような木刀を隠し持ってヤクザ映画のような威嚇に利用していました。原作でのノブオは「シャバ僧」(しゃばい小僧の略。ツッパリ風の外見なのに、喧嘩が弱いヘタレ、というような意味のヤンキー用語)の象徴のようなキャラ、大の極道ドラマ好きという設定のせいか名前の由来は俳優の金子信雄からつけられています。

『ビー・バップ』シリーズ6本に出演した古川勉ですが、その後『極道の妻たち』シリーズなどにも出演。俳優引退後は千葉県銚子市で保険会社社員として働き、07年度の銚子商工会議所青年部会長を務めるという、当時からは予想もできなかった近況となっています。

●私立愛徳高校にやって来た転校生の「横浜銀一/八巻保幸」。
 トオルとヒロシのクラスメイトで、鳥の巣のような巨大なリーゼント頭が特徴。見た目はかなりのツッパリですが実は喧嘩が弱く「シャバ憎」のひとり。名前は、当時活躍していた「横浜銀蝿」をヒントにしていて髪型もその影響を受けています。通称「銀」と呼ばれる事が多く、映画内ではリーゼントを櫛でとかす姿が印象的でした。

『ビー・バップ・ハイスクール』シリーズ6本で横浜銀一を演じた八巻保幸。その後の芸能活動情報の詳細が不明ですが、現在はダンプの運転手をしているそうで、後述の「菊リン」の個人ブログへまれに登場し、元気な姿を見せてくれることもあります。

●やはり私立愛徳高校にやって来た転校生の「赤城山忠治/小林啓志」。
 トオルとヒロシのクラスメイトとなるのですが、この学校は何故こんなに転校生が多かったのでしょうか?

 それはさて置き、赤城山は前の学校ではいじめられっ子だったため、愛徳ではナメられないようにとかなり気合を入れた不良を装って登校してくるのですが、その恰好は時代遅れで順子には「恥ずかしくてとても表歩けない格好」と言われてしまいました。彼もまた「シャバ僧」のひとりですね。

 名前の由来は、昭和40年代に大ヒットした学園漫画「夕やけ番長」の主人公「赤城忠治」から。「赤城の山も今宵限り…」の名セリフが赤城山の苗字に影響しているあたり、時代錯誤のキャラからこのネーミングになったのかも知れません。赤城山忠治を演じた小林啓志も『ビー・バップ』シリーズ6本に出演後は、芸能活動の情報の詳細は不明ですが、現在は内装業をされているようです。

●『ビー・バップ・ハイスクール』シリーズの中でも根強い人気があるのが、県立立花商業高校のナンバー1である、通称「菊リン」こと「菊永淳一/石井博泰」。
 私服だとヤクザと勘違いされてしまうほどの老け顔でメガネとチョビヒゲがトレードマーク。喧嘩は強いが、酒の飲めない甘党な彼は、酔った勢いで一夜の過ちを犯してしまい、惚れられた相手から逃れるために沖縄に逃亡して姿をくらまします。そのため学校を欠席し留年が決まってしまう話は有名。卑怯なケンカが得意で博打好き。なかでも競艇好きです。順子に振られた後のキャッチフレーズは「未練番長」でした。

 菊リンを演じた石井博泰は『ビー・バップ』シリーズに4作出演した後『極道の妻たち』シリーズなどに出演。横浜の暴走族「シルクロード」にも所属していたある意味本物の不良でもあり、俳優業の後はトラック運転手に。最近では、雑誌「カミオン」(芸文社)や「チャンプロード」(笠倉出版社)にも登場。また、VIPカーや車のイベントに参加したりキャットファイトにも参戦しています。いつまでもリアル「菊リン」ですね。

●県立北高等学校のナンバー1「前川新吾/瀬山修」は、大の女好きで「性の暴走族」「絶倫番長」等のキャッチフレーズで呼ばれていました。
 トオル、ヒロシとは中学以来の友人でセックスもケンカも強いらしいのですが、原作では喧嘩をするシーンが出てきません。左まぶたに傷を持つ容姿は迫力があるものの、無類の女たらし、彼の部屋に入った異性で無事だったのは母親だけという伝説があります。女性に対しての守備範囲は広く、下は12歳(犯罪ですね)から上は48歳まで許容範囲内とか。

 85年のこの映画で新吾を演じた瀬山修は現在でもモデルエージェンシーに所属する俳優・モデルとして活動しています。『ビー・バップ』出演後は伊丹監督の映画『タンポポ』などに出演、舞台『ミュージカル・タッチ』などでも活躍しています。

 ちなみに瀬山に続いて、映画シリーズ3作目からは前川役を小沢仁志が演じています。小沢はシリーズの完結編まで前川役を演じていたので印象深いところですが、オールドファンのなかには、前川は瀬山修という方も多いようです。

●私立戸塚水産高校の極悪兄弟の兄・通称「ヘビ次」こと「中村竜雄/小沢仁志
 ゴツい外見と鋭い眼光は「ヤクザ養成機関」と言われた戸塚水産ならではの風貌。兄弟でのタッグ喧嘩を得意としていました。弟は中村虎雄、通称「ネコ次」。

 84年、テレビドラマ『スクール☆ウォーズ』の水原亮役で俳優デビューした小沢仁志は、85年の『ビー・バップ』では中村竜雄役として登場。先述のとおり好演が認められ、3作目からは前川新吾役も演じることに。

 小沢仁志は「顔面凶器」というあだ名があるだけあって、その後も映画『3-4X10月』や『新・仁義なき戦い。』、Vシネマなどに出演し、迫力ある演技でいぶし銀の活躍を続け、最近ではバラエティにも多く出演しています。なお空手二段、剣道・柔道初段の本物の強者です。

bebop06.jpg小沢仁志主演『極道天下布武 第二幕』DVDジャケットより

 さて、今回の映画『ビー・バップ・ハイスクール』出演者のその後、いかがでしたでしょうか。全6作も映画が制作されただけに、その後もVシネマやアニメ、ファミコンなどのゲーム化、さらに2000年代にはいってからも、2度テレビドラマ化されるなど、その人気ぶりは時代を超えて健在です(テレビドラマでは今日子役を石原さとみが演じるなど、私たち世代はつい往年の出演者と比較しながら楽しみたくなる要素もあります)。

 ツッパリ全盛だった80年代、皆さまは実際に変形学生服を着たりリーゼント決めたりしていましたか? 中にはこの映画や漫画に影響されてボンタンを買ったりポマード使って髪型を変えたりと、高校デビューしちゃった人もいるかもしれませんね。いずれにせよ、当時青春時代を過ごした人々に大きな影響を与えた1作だったのではないでしょうか?

 さて、この連載では次回以降も皆さまの脳裏に「懐かしい」が蘇りそうな記事を提供して参ります。「こんな記事は?」「あのネタは?」なんてお声も、お待ちしておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。
(文・構成=ミドルエッジ)

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