夏休みも終盤ということで、「宿題が終わらない!」と切羽詰まる子どもが続出するこの時期。
親としては、経験上このままでは最後の3日間で泣きながらやることになるのは目に見えているわけで、そろそろ本腰を入れて取り組んでほしいところですが、子どもに対してどのようにアプローチすれば自主的に取り組んでくれるのかというのは頭を悩ませるところです。
『よい親 ダメ親 ふつうの親(できる子を育てる親はここが違う!)』(清水克彦/著、アスコム/刊)では、子育てにおけるケースごとに「よい親」「ふつうの親」「ダメ親」の行動が示されています。では、「子どもが夏休みの宿題をやらないケース」に親が取るべき対応は?
■宿題をやらない時は……
夏休みの宿題は、子どもにとってはかなりの量です。大人からしたら「早めに手をつければいいのに」となるのですが、子どもはその圧倒的な量ゆえになかなか手をつける気にならないという面も。
毎日少しずつ進めることの大切さを子どもに理解させるのは大変なことですが、「子どもの自主性を尊重する」を大義名分に放任してしまうのは「ダメ親」の行動だそう。
これに対して「勉強しなさい」「宿題をやりなさい」などと、一種強制的にやらせる親もいますが、これは「ふつうの親」です。
こんな時、「よい親」の対応は「場所と時間」までを親子のルールとして決めて、守らせること。「やりたいことは、やるべきことが終わってからやる」ということを子どもに意識づけるためにも、はじめは10分、15分といった短い時間から、徐々に時間を延ばしていくように仕向けていきます。
■読書感想文が書けない子どもを助けるべきか?
夏休みの宿題ということでいうと、定番なのが「読書感想文」や「作文」です。これ、苦手な子は全く書けないんですよね。
子どもが感想文や作文が書けなくて困っている時、「苦手だから」と手伝ってあげることを放棄してしまうのは「ダメ親」です。「ふつうの親」は「主人公の気持ちになって書けばいいんだよ」などとアドバイスを与えますが、このような漠然としたアドバイスでは、かえって子どもを混乱させてしまいます。
ただ、書くうえでの「ひな型」があれば、子どもはそこに当てはめる形で書けばいいので、思考が回るようになります。このひな型を示してあげるのが「よい親」です。
たとえば、感想文であれば、はじめに「一番に感じたこと」を書き、次に「その理由」を続け、最終的に「起承転結」となるようにするなど、先に型を教えることで、子どもは考えるきっかけをつかんで、自力で書き進めやすくなります。
■「続かない」子どもへのは態度で見せる
飽きっぽかったり、やる気をもてなかったりと、遊びたい盛りの子どもに一つのことを継続する力をつけるのは大変なことです。
物事を投げ出してしまう子を叱るのは「ダメ親」の対応。叱ったその時は言うことを聞くかもしれませんが、問題の解決にはなっていません。「ふつうの親」は、「継続がいかに大切なものかを話して聞かせます。これは悪いやり方ではありませんが、もっとも効果的なのは、親自身が何かを我慢して、努力を続ける姿を見せること。
毎日接する親が一つの物事を継続してやり続けているのを見れば、子どもはその重要性に自然と気がつくはず。これが「よい親」のやり方です。
本書の著者、清水さんは教育問題に深く携わり、取材を通して250世帯以上の親の姿を見続けてきたジャーナリスト。
その経験から導き出された「よい親」「ふつうの親」「ダメ親」の行動は、子育てをする人ならば共感できる部分が多いはず。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。