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過去自慢&他人批判ばかりの「ジジイ社員」、なぜ急増?高学歴&一流企業勤務に多い?

文=佐野真澄/清談社
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過去自慢&他人批判ばかりの「ジジイ社員」、なぜ急増?高学歴&一流企業勤務に多い?の画像1「gettyimages」より

老害」とは、世代交代がうまくいかずに時代遅れとなった組織に対して使われる言葉だ。それが転じて、古い価値観にとらわれて組織の成長を妨げる年長者を意味するようにもなった。程度の差こそあれ、どの会社にもそんな上司世代の人たちがいることだろう。

 では、もしあなたが「このおじさん、仕事の邪魔ばっかりして、なんのために会社にいるのかな?」と若手から思われているとしたらどうだろうか。

 管理職ではあるものの、特に成果を上げるわけではない。そのくせ、会社や周囲の変化を嫌い、他人を否定したがる。そんな迷惑な上司世代の男性=「ジジイ」が増殖しているという。なぜ今、ジジイが増えているのか。そうならないための働き方とは何か。

若手を批判して定時に帰る「ジジイ」の正体

「口を開けば過去の自慢話ばかり。『俺らの頃は残業も深夜まで会社に残るのが当たり前だったけど、今の子はホント楽だよね』と、さも『長時間労働してきた自分は偉い』とばかりにドヤ顔で語る。そのくせ、定時で即帰宅するんです」

 そう言ってため息をつくのは、通信系企業に勤務するYさん(26歳・女性)だ。批判の矛先は、40代後半の男性上司。Yさんや同僚の若手社員が何を提案しても受け入れず、「俺の時代はこうだった」と古いやり方に固執するという。

「このように、保身だけを考えて会社にしがみつき、自分からは行動せず、ただ他人を批判するだけの年長者を、私は『ジジイ』と呼んでいます。この人の言動は典型的なジジイで、まさに『ジジイの壁』にはりついているといえます」

 こう語るのは、『他人をバカにしたがる男たち』(日本経済新聞出版社)の著者で健康社会学者の河合薫氏だ。

「ジジイには、『成長や挑戦を嫌う』『仕事に対してやる気がない』という特徴があります。こういう人物がいると、全体の士気が下がる。今、企業にはこのような保身のかたまりであるジジイが非常に増えているのです」(河合氏)

人をジジイ化させる「そこそこの学歴&実績」

 どんなタイプが、ジジイになりやすいのだろうか。河合さんによると、意外にも「高学歴で一流企業に勤めているようなエリート」だという。

「そこそこのいい大学を出て、そこそこに仕事をしてきたような人こそ、ジジイになりやすい印象があります。やっかいなのは、この『それなりに俺はやってきた』というプライドです。年齢とキャリアを重ねると、不安を簡単に口に出せなくなり、誰かに相談することもできない。かといって、自分から行動を起こすような勇気もない。今まで培ってきた『そこそこの実績』を失いたくない、という保身によって身動きが取れなくなってしまっているのです」(同)

 こういうタイプがプライドを保つには、「○○大学出身のくせに」「女のくせに」などと出身大学や性別で他人を判断し、バカにするしかない。

 最近よく問題になる企業CMの炎上騒動も、ある研究報告によれば「役職に就いた40代以上の男性が炎上の中心になっている」という。「そこそこの大学出身」「そこそこの会社勤務」の男性は年を重ねると他人をバカにしやすいという傾向とも合致する。

 こうしたジジイが増えている背景にあるのは、将来への不安感だ。

『他人をバカにしたがる男たち』 駅やコンビニで暴言を吐く、上だけを見て仕事する、反論してこない人にだけ高圧的、相手の肩書き・学歴で態度で別人――こんな人、気になりませんか? 本書では、女性の中でも進む、現代人の「ジジイ化」に焦点を当て、健康社会学の視点から、わが国にはびこる「ジジイ」と「粘土層」の生態を分析。70歳現役社会で男女が輝くヒントを紹介します。 amazon_associate_logo.jpg

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