売り手市場といわれる就活戦線。ミレニアル世代をひきつける会社はどんな会社なのか? 私は「ミレニアル世代と働き方を考える」というイベントを開催させていただきました。学生団体のmanmaさんと一緒に、初回はグーグル、そして2回目はヤフーとの共催です。後者では「多世代で働き方を考えるワークショップ」も開催し、ヤフー社内外からバラエティ豊かな世代が集まりました。
1回目は学生の就活観を聞くもの。2回目は学生も含め多世代で対話し、「違いや共有できること」を知るように設計されています。「そもそも仕事とプライベートの両立について聞くと“甘えた働き方をしたい人”と思われてしまう。だから聞けない。本当は聞きたいのに」というmanmaの学生の悩みから企画したものです。「まずは仕事が第一」と育てられた今の社会人には、どうもこの感覚が理解できない。「まだカレシもいないうちから両立を心配しても」と不評です。
しかし今の学生が、そうした上の世代の未婚、晩婚、そして晩産や不妊の状況をみていたら、不安になるのは当たり前です。女子学生の考え方は、「両立はデフォルト(当たり前)、マミートラック(出産後、育休から復帰しても活躍の道が閉ざされた部署や仕事を与えられること)にも入りたくない」というものでした。ほかにも、次のような意見が聞かれました。
「今やっているNPO活動を続けたいので、副業はマスト」
「残業や休日などの働く環境も気になる」
「キャリアは3年ごとに見直します」
え、せっかく採用しても3年で辞めるのか? 人事担当者としてはがっかりですが、会社を辞めるという意味ではなく、3年ごとに成長を確認できるような環境に身を置きたいという意味でした。
「早く成長したいなら、なぜ新人の頃に残業してでも仕事をしたいと思わないのか?」
そんな質問も会場からは飛びました。学生の答えは「会社の仕事だけでは成長できない」というものです。ミレニアル世代は転勤、残業への拒否感も強い。日本経済新聞の「就活学生100人アンケート」では「就活学生の10人に6人は月40時間を超える残業はしたくない」となっています。最多の43%は「20時間から40時間」が許容範囲でした。「『同じ場所で勤務したい』が52%」で転勤への拒否感も強いのです。