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『SUITS』中島裕翔のシーンで致命的ミス…真似ると危険な織田裕二の「やり手スーツ」

文=石徹白未亜/ライター

織田裕二の「ピークラペル」は難易度高め

 また、織田裕二が着ているスーツの「ジャケットの襟のデザイン」は、そのまま真似るのは危険だ。襟が「ピークラペル」(下側の襟の端が水平より上に突き出したデザイン)なのである。一方、中島裕翔のほうは一般的なスーツで見られるノッチラペルだ。

『SUITS』中島裕翔のシーンで致命的ミス…真似ると危険な織田裕二の「やり手スーツ」の画像2「SUITS/スーツ – フジテレビ」より
『SUITS』中島裕翔のシーンで致命的ミス…真似ると危険な織田裕二の「やり手スーツ」の画像3「SUITS/スーツ – フジテレビ」より
 ピークラペルは、ビジネスシーンではかなり「尖った」印象になる。知り合いの結婚式に参列するときなどは「お祝い」感を醸し出すのでいいが、一般的なビジネスの場では少々やりすぎ感が出るので、これも勧めない。

 なお、ドラマ内で織田裕二は画像よりもう少し幅のあるネクタイをしているが、この画像では、ジャケットの襟の幅がしっかりとあるわりにネクタイの幅はやや細い。そのため、胸元がスカスカしているように見える。「ジャケットの襟の幅」と「ネクタイの幅」は合わせるのが鉄則だ。ここがずれていると、なんだかちぐはぐに見えてしまう。お手持ちのスーツとネクタイを、今一度確認してみてほしい。

スーツのボタンに関する意外な誤解

『SUITS』では、オリジナルのアメリカ版でもリメイクの日本版でも、「やり手上司」側が常に見せるしぐさがある。「座るときはジャケットのボタンを開け、立ったらジャケットのボタンを留める」というものだ。

 息を吸うように自然に、ボタンに一切目を向けずに留め外しをする姿は日本版でもきっちり踏襲されていてかっこいい。これは、「スーツのルールをちゃんと知っていて、気を配っていますよ」という振る舞いであり、「ホワイトカラーのエリートであること」を表現しているのだ。

 間違えている人も多いが、スーツのジャケットのボタンは「立っていたら留めて、座っていたら開ける」。しかし、「留めていたほうがきちんと見えるから」という理由なのか、実際には座っているときもボタンを留めているケースが多い。また、あらたまった席になればなるほど、「座っていてもジャケットのボタンは留めるものだ」と思っている人が多いが、本来はあらたまった席であっても座るときは外していい。

 特に、企業のホームページの「採用情報」のコーナーでは、この間違いをよく見かける。先輩社員たちが立って微笑んでいる写真でボタンが開けっ放しでだらしなく見えていたり、逆に着席しているシーンでボタンを留めたままにしていて胸元が苦しげだったりするケースがあるのだ。人事担当者は、ぜひ自社のホームページを確認してみてほしい。

 なお、例外もあり、スリーピース(ジャケット+スラックス+ベスト)の着こなしの場合は、ボタンは座っていても立っていても開けたままでいい。留めたら、ぱっつんぱっつんになるだろう。

『できる男になりたいなら、鏡を見ることから始めなさい。 会話術を磨く前に知っておきたい、ビジネスマンのスーツ術』 「使えそうにないな」という烙印をおされるのも、「なんだかできそうな奴だ」と好印象を与えられるのも、すべてはスーツ次第! amazon_associate_logo.jpg

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