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ドラマ『SUITS』の“あり得ない”シーン
ボタンの開け留めではスーツへのリスペクトが感じられる『SUITS』だが、紳士服販売をしていた身として、ドラマを観ていておかしいと思ったシーンがある。
第2話で、中島裕翔が織田裕二の紹介を受けて超高級スーツ店でスーツを仕立ててもらうのだが、その際「今日着て帰れるスーツはありませんか?」と言っていた。実際、中島裕翔はその日に新しいスーツを着て、就職もせずに心配をかけ続けたおばあさんに成長した姿をお披露目するという、ドラマ的には「いいシーン」が展開された。しかし、超高級スーツ店でスーツを仕立てるのであれば、それはオーダースーツであり、その日に買って持って帰れるような手軽なものではない。
オーダーでなく、すぐに買えるスーツであっても、基本的には「裾上げ」が必要になる。特に、今は10月だ。寒くなってきた頃に秋冬のスーツを買おうという人が多いため、10月の紳士服店はセール期を除けば1年で一番混む時期だ。そのため、裾上げ担当のスタッフがバックヤードで1日中ひたすら裾上げをしても追いつかないような状態になる。仕上げは「なるはやで」という人も多いが、裏では「人が縫っている」ということを覚えていてくれるとうれしい。
なお、紳士服店が混む10月だが、ストレスなく待たされずに買いたいと思うのであれば、開店直後か雨の日か平日に行くことを勧めたい。
(文=石徹白未亜/ライター)
『できる男になりたいなら、鏡を見ることから始めなさい。 会話術を磨く前に知っておきたい、ビジネスマンのスーツ術』 「使えそうにないな」という烙印をおされるのも、「なんだかできそうな奴だ」と好印象を与えられるのも、すべてはスーツ次第!
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