「お金」は人生の中から切っても切れないものだ。生きていくためにはお金が必要であり、稼ぐ力を身につけることで豊かな人生を送ることができる。
しかし、子どもの頃に英語を勉強しても、お金の勉強というのはあまりしないだろう。
お金に対する考え方を子どもの頃から身につけさせたいのであれば、ぜひ使いたいのが「お小遣い」だ。
『わが子が将来お金に困らない人になる「お小遣い」のルール』(村田幸紀著、フォレスト出版刊)は、「そろそろ我が子にお小遣いをあげる時期だな」と考えている親に向けて、子どもが将来、お金に振り回されず、流されない人生を送るための「お小遣いのルール」を紹介している。
■お小遣いは実は子どものお金教育に影響大
子どもの頃に何気なくもらい、使っていたお小遣い。それが「大人になって、お金をどのように捉え、どう使っているか」に大きな影響を与えている。
というのも、子どもの頃に「親からおねだしりしてもらったお金は返済不要」という認識のままでいると、大人になってキャッシングやカードローンを利用したとき、「高い利子を払わなければならない」「いつまで経っても返済が終わらない」というしっぺ返しを植えてしまうからだと本書。
「子どもだから」「金額が小さいから」と、お小遣いを軽んじていけないということだ。
■お金をリテラシーは「倍返し」で育む!?
本書では、お金のリテラシーを育むために、「倍返し」という方法を提案している。
この方法は下記のように行う。
(1)毎月1回を基本に、ご近所相場の2倍のお小遣いを渡す。
(2)2カ月後、翌月分のお小遣いを渡すとき、前月分で残した同じ金額を「ごほうび」として毎月分+αで渡す。
(3)「自分で残したお金」+「ごほうびのお金」を、親子で一緒に貯金箱に入れる。
(4)ある程度貯金箱が貯まったら、子ども名義の銀行口座に入金する。
開始するのは、小学校低学年くらいがベスト。「倍返し」のお小遣いに関するルールを子どもにきちんと説明して、お金の使い道は子どもに任せる。このとき、「お小遣いの状況はどう?」など、親があれこれと使い道を指図しない。
この「倍返し」でお小遣いをあげる目的は、まず、定額制によって「IN > OUT」をコントロールする習慣を身につけるということだ。お金を残して貯めることで自分のほしいものを買うことができるなどのメリットを体感してもらうのである。
ただ、普通の定額制ではそれが体感しにくいと著者は考えたため、「残した分だけ倍返しするとメリットがある」というごほうびルールを取り入れたという。
また、「残した分だけお金が増える」というルール設定によって、資産運用の擬似体験もできる。お金が増えるか減るかわからないというリスクの点では異なるものの、お金を手元に残して初めて「お金を増やす」という次のステージに行けるという大原則を学ぶことができる。
我慢することや使い途の配分、計画を立てる、管理の仕方の工夫などを習得しながら、お金を管理する習慣をつけていくことができるのだ。
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親からすると、子どもにお金のことを教えるのは難しいことかもしれない。お小遣いをあげるようになるタイミングで、本書で紹介されているお小遣いのルールを実践してみてはどうだろう。将来のためにも、子どもの頃からお金の教育は必要なはずだ。(T・N/新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。