「上司の目を気にして残業」は損するだけ?短時間で成果を出す人の「断る」スキル
2016年に政府が「働き方改革」を打ち出して以来、ビジネスパーソンの間にも少しずつ「自分の働き方を見直し、もっと生産性の高い仕事をしよう」という動きが出てきているのではないか。
テクノロジーの発展に伴い、将来を予測しにくい時代に私たちは生きている。寿命がさらに延びるといわれるなかで、常に社会から求められる人材になるにはどうすればいいのだろうか。
本連載「働きアリから脱出せよ!」第3回では、仕事の生産性を上げ、会社に縛られずに「稼げる人」になるための個人向け働き方改革の方法を伝授する『働きアリからの脱出』(集英社)の著者でクロスリバー代表取締役の越川慎司氏に、働く人からの「仕事・人生の悩み」についてお答えいただいた。
越川氏は、国内大手および外資系の通信会社などに勤務し、05年に米マイクロソフトに入社。業務執行役員としてOffice事業部を統括し、17年に働き方改革を支援する株式会社クロスリバーを設立。調査やヒアリングなどを実施しながらコンサルティングを提供し、18年11月時点で527社の働き方改革を支援してきた。また、自身も週休3日の働き方を実践している、働き方改革のプロフェッショナルだ。
今回は、20代後半の若手ビジネスパーソン2人からのお悩みにアドバイスをいただいた。
「常に求められる人材になるには?」
Q.500人規模の会社に入社して5年、まだ管理職にはついていませんが、後輩の育成を任されるなどしながら、営業としてがんばっているつもり。ただ、将来が不安です。今後100歳まで生き、お金のことも考えなくてはいけないなかで、常に求められる人材であるにはどうすればいいのでしょうか?(27歳・男性・営業職<独身>)
越川 27歳ですから、少なくともあと40年以上は働くことになります。40年後にどういう人材が求められるのか予測するのは人工知能でも難しいことですが、ただひとつ間違いないのは、変化に対応する能力を今のうちにつけておかないといけないということです。具体的には、常識やバイアス、思い込みを取って考えるトレーニングはすべきでしょう。
――具体的にはどのような方法がありますか?
越川 外の変化に敏感になるようにするにはどうすればいいか。27歳くらいであれば、会社の中で時間を費やしがちですよね。もし、社内にいるのであれば、自分とは違う部門の方々のアドバイスを聞く。営業なら開発の方や人事の方など、違う職種の方々と話をして変化を感じることが大事です。
後輩の育成をされているので、コーチングを身につけることも手です。社外からの学びも大切ですし、メンターをつくったほうがいいのは27歳くらいのときですね。