「上司の目を気にして残業」は損するだけ?短時間で成果を出す人の「断る」スキル
――上司や人事に味方になってもらうために、どのようなことをしたのですか?
越川 ただ早く帰るのではなく、早く仕事を終わらせて帰るという約束をしました。成果を残せる人であるというブランドをつくったんです。これが信頼の土台になりましたね。確かに社内の調整や根回しが必要にはなりますが、味方をつくると強いです。
――周囲の目が気になるという点についてはいかがでしょうか。
越川 こちらは、ちゃんとヒアリングをしないとなんともいえない部分があります。というのも、実は私の会社の調査でわかったのですが、上司はまったくそう思っていないのに、部下が「帰ったらまずいんじゃないか」と忖度して帰らないというパターンがあるんです。働き方改革が浸透してきてから、上司側も残業ばかりして成果の上がらない人より時短でも成果を出せる人のほうを評価するようになってきていますし、周囲の目を気にして損しているかもしれません。
ただ、もし会社自体にダラダラと長く働いている人が評価され、早く終わっても帰ったらマイナスの目で見られるという空気があれば、それは後者の人を守る制度をつくらないといけません。
相談者の場合、周囲に目を配れる方ですから、おそらくひとりで会社の制度をガラッと変えることはできないと思います。そうなると、やはり自分自身の生産性を高めて、「この人は辞めてほしくない」と思われる社員になることが近道になるのではないかと。
会社って、意外と「辞めさせたくない社員」の働き方に合わせて特別なシフトや新たな制度をつくるんですよ。副業制度を整えたり、テレワークを取り入れたり。まずは自分自身で変えられるところから改善し、味方をつくり、世論をつくっていく。そこを着実にやっていくといいのだと思います。
――ただ、成果が出る人には仕事が集まりやすい傾向があります。それも時短を阻む要因ではないでしょうか。
越川 おっしゃる通り、その傾向はあります。そして、エース級の人材が転職したりメンタルをやられたりするので、仕事がひとりに集まらないようにするのは会社の課題です。
また、「個人でできる」という観点からいうと、断り上手になることが大事ですね。これは、自分で時間をコントロールしている人はみんな身につけているスキルです。ちゃんと理由を述べて、ネガティブな印象を与えずに断る。そのスキルは身につけておくべきでしょう。
(構成=編集部)
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