「時給5万円」の仕事ができる人、単なる「働きアリ」で終わる人
<越川氏の回答>
越川 私も営業の管理職の経験がありますが、管理職が会社から期待されていることは、社員から気に入られることよりも売り上げ目標の達成です。そのため、売り上げを達成するために部下のモチベーションをどう高めるべきかを考えたほうがいいと思うのですが、確かに自分たちの世代のモチベーションの高め方は通用しない部分があります。
若い人たちは端的に「やれ」と言われても動きませんから、「なぜやらないといけないのか」という指示の理由が必要です。また、部下の行動の質を変える前に、部下との関係の質を上げることにより思考の質が変わり、結果として行動とその結果が変わってくるのです。ちょっとした共通点を見つけて、雑談と相談する関係を構築してみてはいかがでしょうか。
若い人たちにヒアリングをすると「自由」と「責任」――特に「自由」を欲しがっています。これについては、各々の数字目標の達成や会社の売り上げへの貢献ができているかどうかで自由を与えるかどうかを判断してもいいと思います。
また、仕事の価値観の差に関しては、私自身は埋めるものではないと思っています。20年、30年生きてきた人の価値観を急に変えることはできませんし、その差が新しいものを生み出すヒントになるはずです。新しい営業手法や商材を開発する際には、異なった価値観のぶつかりあいが必要です。だから、年輩の方々で集まって会議をするよりは、幅広い世代が自由に意見できたほうがいいでしょう。
歳を重ねてくると、若い人たちの意見に対して「言っていることがまだまだ甘い」と思うことも多くなるはずです。ただ、それを一方的に「ダメだ」というのはNG。一回違いを受け入れてから、それぞれの意見の良いところを組み合わせていく作業をすべきでしょう。これは管理職の仕事です。
――ある程度実績ができてくると、「自分自身はこれで成果を出した」という自負が生まれます。そこに捉われてしまう側面もあるのではないでしょうか。
越川 過去はこれで成功したけれど今はどうか、というところをちゃんと振り返らないといけませんよね。この変化が速い時代において、過去の栄光は過去の栄光です。新しい元号の時代が来て、それでも成功し続けることができるか。業績を伸ばし続けることができるか。もしできるのであれば、継続すべきでしょう。ただ、おそらくみなさん、今のやり方ではまずいと気づき始めていると思うんですね。そうであれば変えないと。変わらないことは、この先大きなリスクになりますから。
(構成=編集部)
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