日本FP協会が集計したところによると、2017年度の小学生の「将来なりたい職業」ランキングトップ10の男子6位に「ユーチューバー」がランクインしていた。これが一昨年のランキングだと考えれば、最近のランキングはより上位になってもおかしくはないだろう。
インターネット、そしてソーシャルメディアの広がりに伴い、私たちがスターになれる場はテレビやラジオの中だけではなくなった。また、ビジネスでスターになれるフィールドも広がった。ソーシャルメディアでパーソナルブランドを確立し、それを現実のビジネスに落とすということも当たり前になっている。
日本ではそういった人たちを「インフルエンサー」と呼んでいる。彼らのバックボーンはさまざまで、一介のサラリーマンからエンジニア、起業家、投資家、フリーランス、アイドルや芸能人もそこに加わる。もはや私たちの日常において、彼らの発する言葉や情報を見ない日はほとんどなくなった。
そして、ソーシャルメディアの“本場”ともいえるアメリカにもそういった人物がいる。その代表的存在がゲイリー・ヴェイナチャック氏だ。
■ソーシャルメディアで世界的成功を果たした「SNS時代の寵児」
ゲイリー氏は年間150億円超を売り上げるデジタルマーケティング企業VaynerXの創業者。これまで4冊のベストセラー書籍を出版しており、YouTubeで大成功したセレブリティとしてSNSマーケティングの界隈ではよく知られている人物だ。
このゲイリー氏はまさにSNS時代の寵児である。出身はベラルーシで、幼児期に家族でアメリカ・ニューヨークに移住。十代の頃から父の経営する酒屋を手伝い、特にワインの感覚を研ぎ澄ませてきた。大学卒業後、400万ドル規模だった酒屋の売上を5年で6000万ドル規模へと急成長させる。このとき配信していたワインを紹介するネット動画「ワインライブフリーTV」で一躍話題になり、ワイン批評家として有名になった。
そして2009年にVaynerMediaを設立。当時はまだ珍しかったSNSを活用したマーケティングを手掛け、世界を代表するデジタルマーケティング企業に育て上げた。
そんなゲイリー氏は新刊『ソーシャルメディアで億万長者になる!』(今井和久、佐々木紀子訳、扶桑社刊)で、仕事がつまらなく、日々を鬱屈と過ごしている私たちに対して次のように檄を飛ばす。
「あなたが人生を楽しみ、これをするために生まれたと思うことをしている限り、正しい方向に進んでいる。最後までやりとげろ。勇敢であれば報われる」(p.329より引用)
■魅力的なインフルエンサーであり続けるには?
『ソーシャルメディアで億万長者になる!』は、ゲイリー氏がSNSを利用したパーソナルブランド確立のためのテクニックを公開する一冊だ。YouTubeだけではなく、Twitter、Facebook、Instagram、Snapchat、Podcastなどの活用法が、そのメディアで成功した人間の実例とともに紹介されている。
今後、もしかしたら「ユーチューバー」という職業だけではなく、SNSを通して社会に影響を与える「インフルエンサー」という職業が「将来のなりたいランキング」に上がってくるかもしれない。
そんなインフルエンサーはその姿が魅力的に映るものだが、ゲイリー氏はその理由について、彼らは8つのポイントを大事にしているからだと指摘する。
1.目的
2.信頼性
3.情熱
4.忍耐
5.スピード
6.ハードワーク
7.注意深さ
8.コンテンツ
これらの8つのポイントは、おそらく今後どのような変化が起きたとしても普遍的なものとして語り継がれるはずだ。大切なことは間違えたポイントを重要視しないこと。一つ一つのポイントは本書の事例をぜひ参考にしてほしい。納得のいく話を読むことができるはずだ。
SNSを使えば世界をフィールドにした仕事も可能になるはず。日々を変えたいと考えている人はゲイリー氏の言葉を参考にしてみてはいかがだろう。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。