就職後、一社に勤め上げる価値観が薄まりつつある現代、自分の経験や強みを活かして独立したり、起業をしたりということを考えている人は少なくないはずです。
しかし、「自分の経験や強みがそんなにお金になるだろうか?」という不安は常に付きまといます。
もちろん、独立してからも同じ仕事をそのまま続けるというのも一つの手ですが、少し視点をずらしてみると、そこには様々な仕事があります。その一つが、今までの経験や自分の持っているノウハウを後進に伝える仕事である「プロ講師」です。
人材育成やマネジメント、話し方など多彩なジャンルの講演・研修を手掛け、“炎の講演家”の異名を持つ鴨頭嘉人さんによる『あなたの経験を仕事に変える技術 成功する独立起業家と失敗する独立起業家の違い』(かも出版刊)は、セミナーや講演の講師として成功するために必要なノウハウを伝える一冊。
では、どんな人が、独立しても依頼が尽きない人気プロ講師になることができるのでしょうか?
■売れっ子になるにはやはり実績が大事
「この人の話が聞きたい!」と言われるには、経験や強みに紐づいた、目に見える実績が必要です。例えば「チェーン店の中で過去最高の売上を記録」「大手企業の中で社長賞を複数回受賞」といった表彰歴や、取得した資格、メディア露出も実績になります。
ただ、鴨頭さんが「一番の実績になる」と語るのが本です。本は質の高いコンテンツを持っていなければ一冊にまとめることはできません。一冊の書籍をまとめられるほどのコンテンツを持っているということが武器であり、ブランド力を高めるになるのです。
■ビール腹や猫背はNG? やはり大事な見た目
人前に立つセミナー講師は見た目も気に掛けなくてはいけません。セミナーや研修の内容がいくら素晴らしくても、「見た目はイマイチ」だと印象が悪くなってしまうそう。「見た目を外してしまうと、その先の内容にまで影響が及ぶ」と指摘します。
例えば、顔はほっそりしているけれどお腹がポッコリ出ていて、まさにビール腹というような「自己管理ができていない」と思われてしまうような体型はNG。また、猫背は「疲れている」「自信がなさそう」など聞き手にマイナスの印象を与えてしまいます。
もちろんコンテンツも重要ですが、講師は人前に立つ仕事であるということを頭に入れておくといいでしょう。
■動画配信サイトを使ってアピールをする
鴨頭さんの特徴の一つは自身の講演を動画配信サイトの「YouTube」にアップしていること。「YouTube 講演家、鴨頭嘉人」というチャンネルをつくり、思考術や話し方などのレクチャー動画を配信しており、昨年7月にアップされた「習慣が変わると人生が変わる!~3つのポイント~」という動画は約307万回も再生されています(2019年5月20日現在)。
情報化の時代において、こうしたYouTubeでの動画を介して鴨頭さんの存在を知る人も多いそうで、旅行先でも話しかけられるとか。YouTuberという職業が子どもや若い人たちの憧れになるなど、時代は大きく変化しています。自分の持っている良質な情報を動画で提供することで、その人の価値自体が大きく高まっていくのです。
もちろん、YouTubeに動画を投稿しても急に再生回数が伸びることはありません。しかし、質の高い有益な情報を語った動画を投稿し続ければ、少しずつ成果が見えてくるはずです。
どんな人にも、その人だけの経験やノウハウがあり、強みがあります。そして、その強みやノウハウを待っている人がいるはずです。
「こんな生き方もあるんだ」ということを教えてくれる本書。自分の人生を考える上でのきっかけになるかもしれませんよ。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。