「働き方改革」が叫ばれるなかで、働き方を変えられるかどうかはつまるところマネジメント次第、ということで上司の力が問われている。
いかに部下の力を引き出し、チームとして早く仕事を終わらせるように仕向けられるか。そして自分自身もダラダラと夜遅くまで仕事をせず、スマートに帰ることができるか。そして結果も出せるか。考えるとなかなかに高いハードルではある。
そしてよく言われるように、プレイヤーとして優秀だった人間がそのまま良い上司になれるかというと、そうとは限らない。プレイヤー時代の優秀さが逆にネックになってしまうことも。
ここでは『任せきりでも10億円!週休5日社長の 任せる力』(真藤昌瑳煕著、すばる舎刊)から、「ダメ上司」になりがちな人の共通点を3つほど挙げてみよう。当てはまっている人は要注意だ。
「自分がいないと仕事が回らない」
「自分がいないと仕事が回らない」という状況は、責任感と「周囲に認められたい」という承認欲求からくるもの。プレイヤーとしてならまだしも、上司というチームの仕事をマネジメントする立場だと、こういう状況はマイナスになってしまう。
上司はまず自分の仕事を手放し、部下に任せることが第一。にも関わらず、自分がいないと回らない状況にあるということは、部下にちゃんと仕事を渡せていないということになる。もし人に任せられないのなら、それはプレーヤー時代の意識が抜けていないのかも知れない。
「自分でやったほうが早いし、確実」
これも上司によくありがちな考え方。しかしこれは部下を信用できていないということであり、このような考えをしている限り、部下が育つことはない。失敗してもいいから任せてやってみてもらう。それを繰り返すことで部下への信用が積み上がっていく。部下としても失敗して学ぶこともある。「大けがにならない失敗」を多く積ませることも上司の仕事。「自分でやった方が……」はその仕事を放棄してしまっている。
「忙しく働くことは美徳」
忙しい毎日を嘆きながらも、朝から晩まで働いた後に奇妙な充実感を覚える人は少なくない。「朝から晩まで忙しく働くことは美徳」という価値観は、私たちが考えているよりも深く根付いているのだ。
ただ、このような価値観はできるだけ捨てた方がいい。特にマネジメント層がこの意識を持っていると、やはり仕事を抱え込んでしまい、部下の育成やチームマネジメントに集中できないことがある。まずは自分の仕事を手放し、自分を「ヒマ」にする。ヒマなことに恐怖を覚える人もいるが、部下の成長を考える上では、それは必要な仕事なのだ。
上司の仕事は「部下ががんばれる環境を作ること」。そのために必要なのが仕事を「任せる」ことだ。
優秀な上司になるためにも「任せる力」を身に付けてみてはいかがだろう。(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。