「モノポリー」というボードゲームで遊んだことはあるだろうか。不動産投資で土地を独占(モノポリー)して、他のプレーヤーを破産させるゲームだが、実はモノポリーは投資におけるリスクとリターンを学ぶのに適したシュミレーションゲームでもあるのだ。
『投資とお金の大事なことはモノポリーに学べ!』(フィリップ・E・オルベーンズ/著、岡田豊/監修、千葉敏生/翻訳、日本実業出版社/刊)では、モノポリーの魅力とそこから導かれる現実の成功法則を解説する。
1935年、米国の大手玩具会社から発売されたモノポリーは、これまでに世界累計2億5000万個以上を販売している。欧米では「一家に2個」と言われるほどで、これほど長きに渡りヒットしている要因はいくつか考えられる。
まずは「さまざまなバリエーションのモノポリー」の存在が挙げられる。ゲームのルールは同じで、地理モノ、芸能モノ、スポーツモノなど、世界中で数え切れないほどたくさんのバージョンが、それぞれにモノポリーの世界観を活かしながら誕生している。次に「コミュニケーションを楽しめる」こと。交渉による取引がゲームの大きな役割を占めており、会話なしにはゲームは成立しない。その結果、老若男女がコミュニケーションを楽しめるファミリーゲームとして、人と人をつないでいる。3つ目は、巧みなルール設定で「投資における戦略を発揮できる」ことだ。
モノポリーの大きな特徴は、ほかのプレーヤーとのコミュニケーションを通じて資産の売買を行い、投資によってその資産を増やしていくこと、さらにはさまざまなリスクが存在するため、ゲーム展開が波乱万丈で多様性に富んでいることだ。
誰でも簡単に遊べるファミリーゲームながら、実生活のように失敗で痛手も負うことなく、お金に関するシビアな体験ができるビジネスコミュニケーションゲームでもあるのだ。モノポリーの勝ち方を学んでいくことで、お金にまつわるコツを実感し、実生活に応用できる。さらに、モノポリーで習得できる交渉術などのさまざまなスキルは、お金以外の部分でも実生活に応用できるのだ。
モノポリーで培うことのできるスキルは、「収入と支出の管理」「資産の管理」「負債の管理」「信用力(債務返済のための余力)の維持」「効果的な取引」の5つの分野で、日々のお金の意思決定にも応用できる。
常にお金の判断がつきまとい、安全にプレイしては勝てないという教訓がモノポリーにはある。現金にしがみついているようでは勝てないということだ。勝つためには、多額の現金を早めに投資し、リスクにさらされなければならない。また、モノポリーは資産を増やすだけのゲームではない。ほかのすべてのプレーヤーを破産させ、お金を独占することが勝利条件である。つまり、勝者はたった1人で、残り全員が敗者というシビアなゲームだ。投資におけるリスクとリターンを学びながら、ゲームの中でのかけひきや判断能力、交渉力も培うことができるのだ。
投資やお金にまつわるコツや交渉術など、実生活に応用できることもあるモノポリー。お正月に家族や親戚とモノポリーを楽しむというのもいいかもしれない。
(新刊JP編集部)
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※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。