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優秀な議員秘書は転職でも引く手あまた?その“禁断の仕事術”~情報収集力、人心掌握術…

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●チームプレイも要求される秘書

 国会議員の秘書ともなれば、複数の人間によるチームプレイが求められる。秘書は大きく公設秘書、政策秘書、私設秘書の3つに分類され、さらに公設秘書や私設秘書の中に第一秘書、第二秘書といった区分けがある。一般的なイメージとしては、私設秘書よりも公設秘書のほうが立ち場が上だと思われがちだが、公務員扱いとなって業務に制約の出る公設秘書よりも、自由に動きやすい私設秘書にベテランを登用するケースも多い。

 また、中には10人規模の秘書軍団を有する大物政治家もいる。ちょっとした中小企業といったところだが、政治家が選挙で落選してしまえば全員が路頭に迷うことになる。その危機感を共有し、お互いの能力を引き出し合っているのも秘書の特徴だ。まさに、現代の会社組織の構図が凝縮された世界ともいえる。

「私が秘書をしていた時も役割分担がありました。ただ、企業のように組織図で定められているのではなく、一人ひとりが暗黙のうちに自分の業務に気づき、瞬時の判断で対応していく場面が多くなります。私が駆け出しの頃は、よく『怒られ役』になっていました(笑)。まず私が矢面に立って相手の怒りをひとしきり受け止め、しばらくたってからベテランの秘書が謝りに行くことがよくありました。本格的に謝るタイミングをズラして、相手が冷静に判断できるようになるのを待つんです」(同)

 自分自身の役割に「気づく」必要がある点でも、会社員と共通する面があるだろう。

●議員秘書のスキルを盗め

 政治家は落選しても知名度が残る。困るのは知名度もない秘書自身だ。しかし、秘書はそのあたりの世渡り術も心得ている。ほかの議員やその秘書、地元企業等との交渉の中で、さりげなく自身の能力を見せている。このような日々の目立たない宣伝活動により、政治家が落選しても別の議員の秘書として活動したり、企業の役員として招かれる者もいる。転職力においても抜け目ないのが、一流の秘書なのだ。

 秘書の業務スキルと世渡り術には、私たちが社会で生きていく上での大きなヒントが隠されている。さらなるスキルアップとレベルアップを目指すのであれば、ぜひとも秘書のノウハウを手に入れたいものだ。
(文=小山信康/ファイナンシャルプランナー)

BusinessJournal編集部

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