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外食産業、なぜ離職率高い?低賃金、長時間残業が横行する構造的問題と経営側のマインド

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●日本的メンタリティ面

【労働に対する価値観】

「若いうちの苦労は買ってでもしろ」「石の上にも三年」「努力は報われる」といった考えを都合よく利用し、理不尽な業務量を強要する。責任感が強い社員ほど「自分が頑張らなければ」と一人で抱え込み、過労状態になりやすい。

 また同じ薄給激務状態でも、チェーン店だと「ブラック企業」と叩かれるが、高級料亭やミシュラン星付店では「修業」の名の下に美談になるのもダブルスタンダードだといえる。違法な労務管理はすべてNGだと徹底するべきである。

【おもてなし文化への甘え】

「お客様は神様」という意識が広く浸透し、企業も客も、過剰な水準の接客サービスを従業員に強いる傾向にある。これまた、しわ寄せは従業員に集中することになる。

 解決策としては、そもそも違法状態を看過しないことが大前提だが、まずは経営陣が「未払い残業ゼロ&高待遇でも利益を出せる仕組み」をつくることである。同業界においても、不況下で売り上げを伸ばしている企業は確実に存在しており、企画やマネジメントなど相応の努力を行っていることが共通点だ。

 また、「徹底的な情報開示」も必須である。「当社はこれくらいの残業とプレッシャーがあるが、その分、これだけのメリットを提供する」という具合に、不都合な真実を赤裸々にオープンにするのだ。応募者数は減るだろうが、その分覚悟を決めた人だけが参画することになるだろう。
(文=新田 龍/ブラック企業アナリスト、ヴィベアータ代表取締役)

※本稿は、新田龍氏のメルマガ「ブログには書けない、大企業のブラックな実態」から抜粋したコンテンツです。

【筆者プロフィール】

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新田 龍:ブラック企業アナリスト 株式会社ヴィベアータ代表取締役
「ブラック企業ランキング」ワースト企業で事業企画、コンサルタント、新卒採用担当を歴任。日本で唯一の「ブラック企業の専門家」として、TVや各種メディアでのコメンテーター、講演、執筆実績多数。著書に『伝説の就活』・『逆転内定』シリーズ、『人生を無駄にしない会社の選び方』『ブラック企業を見抜く技術・抜け出す技術』『就活の鉄則!』など。ビジスパにて、メルマガ「ブログには書けない、大企業のブラックな実態」を配信中。
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