近年、ますます重要度が高まっている英語ですが、昔から日本人の英語について言われるのが「中学・高校と6年間も英語を勉強するのに、どうして話せるようにならないのか?」というもの。
確かにこれは不思議なことです。この6年間で基本的な文法とかなりの量の英単語をマスターするはずなのに、英語を「話せる・使える」という人は多くありません。一体なぜなのでしょうか。
『英語があふれ出して止まらなくなる! 魔法の英語エクササイズ』(すばる舎/刊)の著者で英会話講師の大橋健太さんは、日本人は英語を話せるだけの知識をすでに持っていると言います。それでも話せないのは、「英語を使うためのポイントが抜けている」から。
最低限のことは伝わる「STV」
「SVO(主語+動詞+目的語)」や「SVOC(主語+動詞+目的語+補語)」など、中学校で習う「英語の基本5文型」を覚えている人は多いはず。もちろんこれはこれで大事で、英語を理解するために知っておいた方がいいものです。
しかし、これらの基本文型には、英語を「話す」ために絶対に欠かせないものが抜けているのがわかりますか?
それは「時制」。つまり過去か現在か未来かという表現です。どんなによくできた英文でも、時制(いつ)がないと相手に伝わりにくくなってしまいます。
したがって、英語を話せるようになるためには、この「時制」を使いこなす必要があります。最低限「STV(主語+時制+動詞)」が使えれば、相手に自分の伝えたいことを伝えられます。
難しくて表現できないなら「リフレージング」する
英語を話すためのもう一つのポイントは「リフレージング」です。
「リフレージング」とは、手持ちの英単語ではうまく言えないことを、知っている英単語で言い換えるということ。
たとえば、「寝癖がひどい」と言いたい時、ネイティブならば“I have a bed hair.”と言います。「寝癖(=bed hair)」というのは、日本人にとってあまりポピュラーとはいえない言葉ですが、この言葉を知らないと「寝癖がひどい」ことを伝えられないかというとそんなことはありません。
自分の知っている単語を駆使して“I didn’t take a shower this morning so my hair is standing up(私は今朝シャワーを浴びなかったから、髪の毛が立っている)”と言っても十分に伝わるはずです。
このように、言い方がわからない表現を、知っている言葉を使って言い換えるトレーニングをすることで、英語を話す力は格段に上がります。
そして、この際は「いつ、誰が、なにを、どこで、なぜ、どのように」の、いわゆる「5W1H」に「自分の感情」を加えた「5W1H+Emotion」で考えていくと、より自分の意図が伝わるリフレージングになります。
著者の大橋さんは、非行に明け暮れていた中学生時代、手を焼いた親によって強制的にアメリカに留学させられ、知識ゼロから英語を覚えたという異色の経歴の持ち主。
本書で紹介されているのは、その実体験に基づいた英語上達法であり、勉強しているのに英語力が伸びないと悩んでいる人や、短期間で英語を覚える必要があるという人の強い味方になってくれるはずです。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。