●銀行員は深酒をしない?
–では、銀行員は自己管理の面でも高い意識を保っているのでしょうか?
長岐 はい。例えば、銀行員は泥酔するなどお酒のトラブルを避けるように意識しています。お酒を飲むことは、私も大好きですし、仕事の打ち上げなどで仲間と飲むお酒は最高においしいものです。ところが飲みすぎは、ストレス解消にならないばかりか仕事にも悪影響を与えてしまいます。
–しかし、勢いで飲みすぎてしまうことはないのでしょうか?
長岐 銀行員は高いモラルが求められ、厳しく世間の目が向けられていることも知っています。飲みすぎてトラブルでも起こしたら一大事です。自分の評価だけではなく、社会において銀行全体がマイナスイメージを負う可能性もあります。以前、私がいた銀行で、銀行員がお酒を飲んだ帰り道で財布をすられたことがありました。彼は被害者ですが、しばらく全店舗で飲み会が禁止になる騒動に発展したことがあります。
–厳しい措置ですね。
長岐 銀行員は、業務上、多くの重要な情報を取り扱っています。酔いにまかせて、それらの情報を漏らしてしまえば、酒の上の間違いでは済みません。従って、自己管理ができなくなるほど飲みすぎることは絶対にしてはならないという戒めの意味もあるのです。
–ありがとうございました。
銀行員には、お金との付き合い方、お金の貯め方・増やし方に特徴があります。先行きの不透明な時代において、銀行員の考え方や意識の持ち方は、大いに参考になるのではないでしょうか。
(文=尾藤克之/経営コンサルタント)
●尾藤克之(びとう・かつゆき)
東京都出身。経営コンサルタント。代議士秘書、大手コンサルティング会社、IT系上場企業等の役員を経て現職。人間の内面にフォーカスしたEQメソッド導入に定評。リスクマネジメント協会「正会員認定資格HCRM」、ツヴァイ「結婚EQ診断」監修等の実績。著書に『ドロのかぶり方』(マイナビ新書)、『キーパーソンを味方につける技術』(ダイヤモンド社)など多数。