五輪でナイキと熾烈なPR合戦を行ったアディダスの新戦略

　この日のオープニングイベントには、EXILEのTETUSYA、プロボクシングWBA世界ミニマム級チャンピオン・井岡一翔、モデルのSHIHO、フェンシングでロンドン五輪銀メダルを獲得した太田雄貴、そして、女優の武井咲が登場。「adipure trainer360」をはいて、アスリートたちが日頃行っているトレーニングの様子を公開した。井岡は「あまり練習を見られる機会はないので緊張します」と言いながらシャドーボクシングを披露。さらに「ロンドン五輪以来、練習はお休みしているんですが……」という太田もフェンシングの動きを公開し、その迫力に武井も「すごーい！」と感動しきりだった。

　さらに、TETUYAは「EXILEといえばこれでしょう！」と、突然井岡、太田を指名して「Choo Choo Train」のトレインダンスを披露。一流アスリートたちがくるくると回転するその姿に、会場中は大盛り上がり。突然の展開に、武井も爆笑していた。

　ロンドン五輪では、ライバルのナイキとともに、熾烈なPR合戦を行ったアディダス。公式スポンサーとして、ボランティアスタッフが着用するウェアとシューズを提供し世界にアピールを行った。五輪終了後は、アディダス・トレーニング・アカデミーの他に、きゃりーぱみゅぱみゅや氣志團の綾小路翔、RIP SLYMEのILMARIを起用したスニーカーキャンペーンや、澤穂希、香川真司、錦織圭などを起用した「勝負靴キャンペーン」などを行い、五輪で培ったブランドイメージを実売につなげるための施策を行っている。

　日本におけるスポーツ用品の市場規模は約1.2兆円。飽和状態となり、ほぼ横ばいで推移するこの市場で、リーディングカンパニーとしての存在感を盤石のものにしたい考えだ。