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スポーツライター小宮良之の「フットボールビジネス・インサイドリポート」第6回

永井に山口、次世代日本人選手を海外に移籍させる“代理人”の存在

文=小宮良之

 一つだけ断言できるのは、経営陣は現場における人と人の接触を恐れてはならないということだろう。交渉ルートを確立していくことで、安定した選手補強も可能になる。契約交渉は繁雑を極め、虚々実々の駆け引きが必要になるが、経験を積んでいれば、代理人の仕事を見極め、“おかしな商品“を持ち込んできたときには匂いを嗅げるようになるものだろう。

 さもなくば、痛い思いをするだけである。

 例えば今シーズンのガンバ大阪の凋落は、信念のない監督交代が招いた失策だ。長年にわたり魅力的なチームを作ってきた西野監督を、明確な理由もなしにクビをすげ替え、ブラジル国内で目立った成功も収めていなかった人物を監督に招聘しようとするも、ライセンスの問題で待った、が掛かった。結局、監督をもう一人呼んで双頭体制にしたが、下位に低迷。一連の流れはずさんだった。

「監督のパスを持つ代理人が、有力選手のパスも持っていた。一種のバーターだった」という話もある。だが、だとすれば本末転倒の人事だろう。

 結局、経営のリーダーに求められるのは物事をしっかりと判断するという目なのかもしれない。それは「サカつく」であれ、リアルな世界であれ、何ら変わることはないのである。
(文=小宮良之)

小宮良之

小宮良之

1972年、横浜市生まれ。大学卒業後、スペインのバルセロナに渡り、語学力を駆使してスポーツライターとして活動。EURO、冬季五輪、W杯などを取材後、2006年から日本に拠点を移し、人物ルポ中心の執筆活動を展開する。『アンチ・ドロップアウト』『フットボール・ラブ』(共に集英社)、『名将への挑戦状』(東邦出版)、『ロスタイムに奇跡を』『導かれし者』(共に角川文庫)、『ザックJAPANはスペインを倒せるか?』(白夜書房)など著書多数。最新刊は海外移籍した日本人の戦いを検証した『サッカー「海外組」の値打ち』(中公新書ラクレ)。

Twitter:@estadi14

『裏方の流儀』 いろんな仕事があるんだなぁ。 amazon_associate_logo.jpg

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