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“良質な”睡眠術…仕事で忙しい人のためのコツ、やってはイケナイこととは?

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白濱 アスリートを対象にした実験で結果が出ていて、トレーニング中に昼寝をさせた選手のほうが、高いパフォーマンスを出せました。アスリートと同様、高い集中力の持続が必要なビジネスパーソンにも同様の効果があります。私も勤務医時代には、病院内のあらゆるところで、よく昼寝していました(笑)。

–しかし現実問題として、勤務中に昼寝をするのは難しいですよね。

白濱 遅いランチをとりつつカフェでうたた寝とか、移動中の電車内で少し眠るとか、ほんの短時間でもいいので、スマホを見るのをやめて眠ってください。新幹線の移動時も、パソコンの電源を入れないで眠る。結果的に、そっちのほうが仕事は効率的に進みます。だいたい、朝の8〜9時からずっと脳を働かせているわけなので、昼過ぎに一度リセットしないと、機能の持続は無理なんですよ。

●寝酒、寝だめはNG?

–ところで、寝付きを良くするために寝酒する人も多いですね。

白濱 アルコールは間違いなく深い眠りの敵です。確かに寝付きは良くなりますが、アルコールが抜けた時に交感神経が刺激されてしまうので、そこで眠りが浅くなってしまう。酒を飲んで寝て、深夜に突然目が覚めてしまうことってありますよね。あれです。飲み会があるにしても、後半はノンアルコールをオーダーするなどしたほうがいいですね。

–なるほど。休みの日にお昼近くまで寝だめする人も多いですが、これは効果があるのでしょうか?

白濱 寝だめは、まったく意味がありません。できるなら、朝起きる時間は休日でも平日と変えないほうがいい。せめて8時とか9時までには起きてください。それから、実は睡眠時間は生存率にもかかわってきます。

–寝不足や寝過ぎたりすると、早死にするということでしょうか?

白濱 ある調査データによれば、最も高い生存率なのが、睡眠時間6時間半くらいの人です。寝不足だけでなく、寝過ぎもよくないのです。もちろん、疾患によって長く睡眠せざるを得ない方もいらっしゃいますから、一概には言えないですし、個人差もありますが、ひとつの目安として考えてください。

–自分の適正睡眠時間を知る方法はありますか?

白濱 お酒を飲まないで午前0時前に布団に入り、目覚ましをかけないで目が覚めるまでの時間、マイナス30分くらいがひとつの説としてありますね。

–寝付きが悪いときに眠るコツはないのでしょうか?

白濱 さきほども言ったように、交感神経を刺激しないで、副交感神経を優位に持っていくことが大事です。また、私が監修した睡眠グッズ「ねむりーど」(写真)は、一定の間隔で心臓の鼓動のように振動する小さなぬいぐるみです。これを就寝時に握ると、「暗所(暗所)での振動」、つまり胎内環境を再現できる。母親の胎内がやすらぎの場所だというのは人間誰しも刷り込まれている感覚ですので、副交感神経が優位になるきっかけを作れるという仕掛けです。

–なるほど。しかし我々は胎児ではないので、布団に入っても仕事のことをつい考えてしまい、眠れないこともありますよね……。

白濱 「ねむりーど」のもうひとつの効能はとても単純で、こういうふうに振動しているものを手で握っていると、意識がそっちに集中するということ。実際、握っている間は、昼間の仕事のことや明日の心配事は、頭から押しのけられているんです。それだけでも意味があります。

–今回お伺いした安眠法は、日々のちょっとした工夫でできることばかりですね。

白濱 睡眠が面白いのは、お金をかけたり、ものすごいことをやって初めて達成されるものじゃないという点です。自分の中で決めごとをつくるだけで、いろいろ試せるんですよ。アスリートと同じく、ビジネスパーソンが最高のパフォーマンスを発揮するために、睡眠をコントロールするというのは、実に意味があることです。
(取材・文=稲田豊史)

BusinessJournal編集部

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