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柳谷智宣「気になるITトレンドの“裏”を読む」(第10回)

グーグル低価格端末Chromebook、日本発売秒読み?世界躍進中、普及のカギとは

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Chromebook(サイト「Google」より)
 PCデビューは30年前に発売されたシャープのX1という、筋金入りのデジタル中毒であるITライターの柳谷智宣氏。日々、最新デジタルガジェットやウェブサービスを手当たり次第に使い込んでいる。そんな柳谷氏が、気になる今注目のITトレンドの裏側とこれからを解説する。

 Windows XPのサポートが4月に終了するということで、PCの買い換えを検討している人は多いだろう。Windows 8の評判は悪く、さらに2015年4月にはWindows 9がお目見えするとの噂もある。買い換えるのはよいが、何を選べばよいのか悩んでしまうところ。日本では、Windows 7/8かMac、もしくはWindows 9の登場を待つという選択肢がある。しかし、近いうちに新しい選択肢が追加されそう。それが、グーグルが手がけるChromebookだ。

 Chromebookグーグルが開発したChrome OSを搭載し、従来のWindows PCと同じように利用できる。もちろんWindowsのソフトは動作しないので、Chrome OS用のアプリを利用することになる。今のところ数は少ないので、基本的にはChromeブラウザを主に利用することになるだろう。今時、インターネットにつながれば、ブラウザでほとんどの作業はできてしまう。メールやウェブ閲覧、スケジュール管理、画像・動画・音楽などの鑑賞程度であれば問題なく利用できる端末となっている。

 10年にプロトタイプが発表され、2011年から発売開始。サムスンやエイサー、ヒューレッド・パッカードなどから数多くの端末がリリースされた。アメリカをはじめ、欧州やオーストラリア、シンガポールなどで販売されている。しかし、なぜかいまだに日本では発売されていない。

 Chromebookは2~3万円という超お手頃な価格が一番のウリ。12年には世界で0.2%程度のシェアしかなかったChromebookだが、13年にはなんと9.6%を占めるまでに躍進。ノートPCでは、約21%を占めるほど存在感を増している。今後もこの流れは続くと思われる。

●グーグルのもくろみ

 日本でも何度か近日発売というニュースが流れた。これはグーグルが、昨年までの状況で発売しても失敗すると予測していたためだろう。5~6年前にネットブックと呼ばれる安価な小型ノートPCが登場したが、花火のように消えてしまった。価格は安いが性能が低いことから、安かろう悪かろうと認識されてしまったのだ。Chromebookも無策で出せば同じ轍を踏むことになる。日本のユーザーは、コスト・パフォーマンスだけでは動かないからだ。

 しかし、機は熟したようだ。Chromeウェブストアには多数のアプリが公開されており、一通りのことはできるようになった。Windows XPのサポートが終了しても、15年4月まではXPで動作するChromeブラウザのサポートを継続するというアナウンスも、認知率向上のパフォーマンスに見える。Windows 9の登場時期が噂され始め、高価なWindows 8搭載PCの購入に躊躇する人も出ている。さらに、ハードウェアメーカーは、マイクロソフト以外のOSを選択肢として持ちたいと考えている。グーグルは圧倒的な安さを武器に、一気にユーザーを獲得しようともくろんでいるはずだ。

 1月7日から米ラスベガスで開催された国際家電見本市「CES 2014」にて、東芝はChromebookを発表。13.3インチのフルHDディスプレイを搭載し、価格は280ドルと安く、注目を集めた。1月中旬には、Google Playのウェブサイトに、エイサーのC720 Chromebookが近日発売と謳われた。この発表は現在は削除されているが、Chromebookの国内発売は秒読み段階に入っていると思われる。

 中途半端にリリースすると失敗は必須。一気に普及させて、ある程度の存在感を出せるかどうかがカギ。果たして新しいネット端末は受け入れられるだろうか。セキュリティ面をきちんと整備し、Androidスマホのような失態を犯さなければ、意外と善戦すると筆者は予測している。Chromebookの発売が楽しみだ。
(文=柳谷智宣/ITライター)