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なぜあの店は、モンスター消費者を“引き付け”てしまう?低価格とクーポンがクレームを呼ぶ?

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「Thinkstock」より
 今回は、書店に数多く並ぶ経営ノウハウ本の中から、ビジネスパーソンにも実際に役立ちそうなヒントをご紹介したい。

 1週目、4週目、8週目――この3つの数字に共通することはなんだろうか?

 実は、これらはパートアルバイトが退職しやすい、働き始めてからの期間だ。『お店のバイトはなぜ1週間で辞めるのか?』(加藤雅彦ほか/日経BP社)によれば、人材育成コンサルタントの著者が約800店の飲食店を対象に調査した結果、1年間に採用した合計約4万3000人のパート・アルバイトのうちの3700人が、働き始めてから1週間以内に辞めたという。4週目では合計約7500人、8週目にも1000人程度が、その店に見切りをつけていく。

「さらに言えば、1500人もの人が、なんと入店のその日に退職しています。4万3000人もの人を採用して、1年後も働いてくれているのは半数以下の2万人にすぎない」(本書より)

●アルバイトが早期に辞めてしまう理由

 しかも、入店1週目、4週目、8週目に辞める人が多い店は、それぞれの店に一定の傾向があるという。

 まず、入店1週目に辞める人が多い店は「入店しても、何も教えられずに放置された」「ベテラン中心の人員構成で、職場の輪に溶け込めずに孤立した」など、アルバイトの受け入れ体制が確立されていないケースが多く、「アルバイトがすぐに辞めてしまう職場ほど、その補填として次々に新しいアルバイトを採用するため、一人ひとりをきちんとケアする手間をかけられず、ついついおざなりな対応をしてしまいがち」といった悪循環に陥ってしまう。

 次に、入店4週目に辞める人が多い店は「面接で聞いていたことと、実際の仕事の間にギャップがある」「店長が忙しすぎて、仕事をきちんと教えてくれない」など、入店前に抱いていたイメージと実際の仕事が違いすぎ、「とりあえず最初の給料日までは我慢するが、もらうものをもらったらこれ以上続けたくない」として、アルバイトは去っていく。

 そして、入店8週目に辞める人が多い店は「店や仕事内容に飽きてしまった」「新しい仕事を覚えたいのに担当させてもらえない」など、やりがいを見つけられないケースが主で、「店や先輩スタッフに魅力が感じられない」「ここで長く働いても知識やスキルは伸びないし、給与も上がりそうにない」と、仕事や仲間に見切りをつけていく。

 こうしたケースは、アルバイトだけでなくビジネスパーソンでも実感できる内容ではないだろうか。解決策としては、新人に求めるものを明確化することと「君に期待している」というメッセージを伝えることが必要だと本書はいう。

●安くするほどクレームが増える

 また、企業は従業員のみならず、顧客対応にも細心の注意を払わなければならない。

「なぜ私には、このサービスがつかないの?」「あの人のほうがよいものなんじゃないの?」など、他の客よりも少しでも得をしたいという思いが、粗探しからクレームへとつながっていくと指摘しているのは、『お客様がずっと通いたくなる「極上の接客」』(向井邦雄/同文舘出版)だ。リピート率9割を超える小さな高級サロンの経営者である著者は開業当初、クレームの多さに嘆いていたが、割り引きクーポンなどをやめて、全体の価格が上がるとクレームが減っていったのだという。

「そもそも、クーポンなどの割り引きサービスを利用する客や、キャッシュバックを目当てに来る客は、本来の価値に見合った定価を定価だとは思っていません。割り引き後の価格が定価だと思って来店してくるのです。その店や商品に元の定価分の価値を感じていない人ですから、満足もしない、不満に感じる、クレームを言うという流れになっていく」(本書より)