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オリックス・宮内氏、CEO退任でも“蜘蛛の巣”グループ約800社に人事で絶大な力?

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オリックス本社(「Wikipedia/Jo」より)
「ぎりぎりまでトップに居続けることは、その後を考えると無責任という考えに変わった」

 総合リース業国内最大手・オリックスの経営トップに33年超も君臨した宮内義彦会長兼グループ最高経営責任者(CEO)が退任を発表したのは、5月8日の取締役会だった。

 同時に取締役兼代表執行役社長・グループCo-CEOの井上亮氏がグループCEOに就任することを決定した。宮内氏自身は、今後は「シニア・チェアマン」という肩書で会社に残り、グループの長期的な戦略を考えることになった。

 しかし、すでにオリックスの社内からは、「宮内氏の引退は事実上の院政にすぎない」との声が出始めている。「宮内氏の眼鏡にかなわなければ、出世はない。かなえば未来はバラ色」というのは、オリックス社員の常識。

 これまで多くの幹部社員が、宮内氏が主催するパーティに呼ばれ、出世の階段を上がっており、「宮内氏が主催するパーティに呼ばれれば出世は確実。呼ばれなければ、出世は難しい」(オリックス関係者)という。

 さらにオリックス・グループには、連結会社701社、関連会社92社と、計約800社に上るグループ会社があり、これらの会社の経営陣の人事を握っていたのは宮内氏であり、その影響力が簡単に薄れることはないと見られている。

 その上、これら約800社のグループ会社は、株式の持ち合い、資本提携、業務提携を相互に行っており、その関係はまるで“蜘蛛の巣”のように複雑に構成されている。「人事も含め、これらの絡み合った関係を表も裏も正確に把握しているのは、おそらく宮内氏だけだろう」(同)といわれている。こうした状況から、簡単には宮内氏を経営の中心からはずすことはできないため、社内では事実上の院政との見方が有力なのだ。

 逆に、絶対専制君主の宮内氏が本当に経営に直接タッチしないとなれば、“政商・宮内”が事業を切り開き、企業を拡大してきたオリックスの成長が減速することにもつながりかねない。宮内氏の引退は、オリックスにとって、最大の問題を抱え込むことにもなるのだ。
(文=鷲尾香一/ジャーナリスト)