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楽天とソフトバンク、電力市場で覇権争い勃発 完全自由化で巨大市場めぐる競争激化

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ソフトバンク本社が所在する東京汐留ビルディング(「Wikipedia」より/Jo)
 2016年4月に迫った電力小売事業の完全自由化。自由化後は東京電力をはじめとする大手電力会社(一般電気事業者)、新電力(特定規模電気事業者:PPS)など制度上の事業区分はなくなり、全事業者が対等な条件で競争することになる。その対象となる一般家庭、商店など50kW以下の小規模電力契約者数は約8400万件で、市場規模は7.5兆円に上る。

 それだけではない。完全自由化後に需要が活性化すると期待されている小規模電力消費者の電力データを活用した各種新サービス、電力消費を最適化するHEMS(家庭向けエネルギー管理システム)、蓄電池、家庭用燃料電池などを含めた電力関連の市場規模は20兆円を超えるとの予測もされている。

 この巨大市場をめがけた動きが昨年夏頃から活発化。電力小売事業に参入する新電力として経産省に届け出た企業だけでも昨年末には468社となり、わずか1年で3.7倍にも増えた。そうした中、ソフトバンクと楽天が水面下で火花を散らし、エネルギー関係者の注目を集めている。

●新電力の覇権目指すソフトバンク


 メガソーラー(大規模太陽光発電所)事業を全国展開しているソフトバンク子会社のSBエナジーは昨年12月26日、出力規模約2.4メガワットの「ソフトバンク紋別ソーラーパーク」(北海道紋別市)の営業運転を開始した。同社14カ所目のメガソーラーで、同社は今年も4カ所のメガソーラー営業運転開始を予定している。同社が11年10月の会社設立以来、まるで事業を一本に絞ったかのように全国各地でメガソーラー拡大を急いでいるのは、単に発電所数を増やすのが目的ではない。エネルギー業界関係者は「バランシンググループ(代表契約者制度)の規模拡大が目的だ」と指摘する。

 バランシンググループとは、複数の新電力会社と大手電力会社が一つの託送供給契約(新電力が大手電力の送配電網を利用して自社顧客に電力を供給する契約)を結ぶ、複数新電力の代表契約者のこと。発電所で発電した大容量電力はためておくことができないので、時々刻々と変動する需要量(消費量)に合わせ供給量(発電量)を一致させ続ける必要がある。一時的であっても電力の需給バランスが崩れると送電網の電圧が乱れ、停電を引き起こす危険性があるためだ。このため電気事業法では大手電力に需給を一致させる「同時同量」を義務付けている。

 そこで大手電力会社は需要予測に応じてどの発電所を運転し、どの発電所を休止するかなどの発電計画を立て、当日の需要変化を見ながら発電所の運転/休止、出力増加/減少などを細かく調整し、同時同量を達成している。

 これに対して電気事業法が新電力会社に義務付けているのが「30分同時同量」だ。大手電力のように常時ではなく、一時的に需給バランスが崩れても、30分単位の総量で同時同量を達成すればよいことになっている。