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株価「爆上がり」2万円大台突破はバブルではない 4万まで上昇?下落?何が起きているのか

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東京証券取引所(「Wikipedia」より/Chris 73)
 日経平均株価(225種)が10日、一時、15年ぶりに2万円の大台に乗せた。その後は上げ幅を縮小し、終値は前日比マイナス30円だったが、日経平均は1月中旬の安値から約2カ月の間で約3000円上昇し、昨年10月中旬の安値からは約5カ月で約5000円も上昇したことになる。こうした値動きに対して、一部投資家の間では「ミニバブルではないか」と警戒する向きがある。

 懸念の大きな理由は、急速な株価上昇ペースである。急激な上昇は急激な下落を招くのではないかという警戒だが、最近の株式市場全体のPER (Price Earnings Ratio=株価収益率:株価が一株当たりの利益の何倍かを示す指標)は17倍程度であり、1980代後半から90年台初頭にかけてのバブル期にはPERは70~80倍程度もあったとされる。こうした事実を踏まえると、現状はまだバブルではないといえる。

 日本のバブルは「土地本位」の性格を強く持っていたため、たとえ赤字企業であっても多くの土地さえ持っていれば株価は上昇し、銀行も積極的に融資するような状況が長く続いた。今はまったくそうした状態でない中で株価が上がっている点は、大きいといえる。

●今後は上昇基調で推移か


 市場には今後も株価上昇を期待させる要素があるのは確かだ。

 まず、日本銀行が2年前から継続している量的質的金融緩和では、日銀は市場からリスク資産を買い上げ続けている。GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)も年明け以降、積極的に株式を買って市場を下支えしている。さらに外国人投資家が優良銘柄に積極的に買いを入れ、株価の一段高を狙うマインドは強い。企業業績も好調で、大企業を中心に多くの企業で賃上げが実現される方向となるなど、株価が一段と上昇する環境は整っている。

 専門家の見方は積極派と慎重派に別れている。市場関係者の間では「まだまだ上昇余地があり、長期的には3~4万円に上昇してもいい」「年末までに2万5000円まで上昇する」という論者がいる一方で、「2万円にワンタッチした後は調整に入る」「5月にかけて伸び悩む」と指摘する論者もいる。

 ただ多くに共通しているのは、株価が下がりにくい状況になっているという点である。上昇の積み重ねで市場の底堅さが増し、今後はある程度の調整をこなしながらも上昇基調で推移することが予想される。

 当面は、近く発表が始まる2015年3月期企業決算の内容や、日米の各種経済指標をにらみながら、00年のいわゆるITバブル期につけた高値2万833円を一つの目標として一段の上昇を試す可能性が強いとみられる。
(文=中原宏実/経済ジャーナリスト)