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なぜ「安かろう、まずかろう」のかっぱ寿司買収?あの急成長企業、ついにマック超え!

文=福井晋/フリーライター
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 このためコロワイドは、「居酒屋事業は先行きが暗い」(同社関係者)と居酒屋チェーンの拡大にストップをかけ、05年頃から非居酒屋事業に活路を求め、積極的なM&Aで「非居酒屋シフト」を進めてきた。そして焼肉チェーン「牛角」を展開するレインズインターナショナルを12年に買収したのを機に、同一エリア内に多様な業態店を出店する「多業態ドミナント戦略」を打ち出した。目指すのは「消費者がその日のニーズで飲食店を選べる総合外食産業」(同)だ。

 近年は、たとえば祝いごとなど「ハレの日」は高単価のディナーレストランで外食、普段の日は低単価の回転寿司、ファミレスなどで外食と、「外食の使い分け」が進んでいるといわれる。こうしたニーズをグループ全体で囲い込み、「消費者からの収益最大化を図る」(同)、すなわち消費者の財布独り占めが総合外食産業追求の狙いといえる。

 野尻社長は15年3月期の決算説明会で「回転寿司市場は縮小しない。カッパの買収で事業ポートフォリオがより健全化する」と買収のメリットを強調した。実際、コロワイドの非居酒屋事業はそれまで「肉類系業態」が多かったが、カッパを加えることで「鮮魚系業態」の比率が増し、より幅広い客層の取り込みが可能になる。社運を賭けて買収したというのもある程度うなずける。

もうひとつの狙い

 実はカッパの買収にはもうひとつ狙いがあった。食材調達から食材加工、商品開発までを一気通貫で行うマーチャンダイジング機能の強化だ。平たくいうとメーカー機能の強化だ。

 コロワイドは全国5カ所に食材加工・調理工場を持っている。これら工場の稼働率を高めるためには店舗数拡大が欠かせない。その意味で買収時に340店を持っていたカッパの魅力は大きかったようだ。14年3月末現在2080店だった総店舗数は、カッパを連結子会社化した15年3月現在2462店となり、約18%も増加している。

「これからの外食産業はマーチャンダイジング機能を強めなければ生き残れない」(コロワイド関係者)

 同機能が強まれば多種の食材を低価格で大量調達できると同時に自社工場の稼働率が上がり、食材加工コストを圧縮でき、利益率が高まる。そのためにも多業態ドミナント出店拡大で消費者の財布を独り占めする必要があるようだ。当然、配送の効率化にもつながる。

業績不振企業を成長企業に変身

 コロワイドはカッパの最大課題である経営再建にも自信があるようだ。過去にも「ステーキ宮」「牛角」など何社もの問題店を抱えていた企業を再生してきた実績があるからだ。

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