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ディズニーランド従業員食堂に驚愕の秘密!データ偽装事件に共通の元凶

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「Thinkstock」より
 傾斜マンションの杭工事データ偽装、免震ゴムのデータ偽装、フォルクスワーゲン(VW)の排ガス偽装事件など、大手企業のデータ偽装の発覚が続いています。

 筆者が食品関係の事業所で監査を行う際、エクセルなどで清書されたデータが提出された場合には、現場の担当者が実際に記入した帳票も確認するようにしています。

 金属検出器、温度、重量を量る秤など、測定した数値が測定時に印字されるタイプの場合は自動印字された結果を帳票に貼り付けたものを確認します。

 米ディズニーランド・リゾートで、ミッキーマウス、ミニーマウスなどを演じている従業員用食堂の厨房を視察したことがあります。厨房にあるスープの加熱・冷却装置は、自動で記録されるシステムが導入されていました。しかも、加熱結果が記録されないと冷却結果を測定できず、温度が記録されないと次の工程に進まない仕組みになっているのです。

 日本の厨房では作業中に温度記録をつけるのですが、帳票が汚れることを嫌い、後からまとめてつけている現場もあります。現場で一度つけた帳票を「清書」と称して書き直している帳票も目にしたことがあります。その場合、現場で作業者が直接記録した原本を必ず確認する必要があります。

保管が必要

 食品工場の現場で記録した帳票は、いつまで保管する必要があるのでしょうか。

 少なくとも、製造した商品の賞味期限プラス20日程度は必要だと思います。O-157のように潜伏期間の長い菌もあるので、商品の安全性を証明するために必要な期間だと思います。帳票のなかでも、加熱、冷却、出荷前検品の細菌検査の結果などについては確実な保管が必要です。

 企業によっては、帳票をパソコン上で保管しているケースもあります。帳票の原本をスキャンして画像として保管している場合は、まったく問題ないと思いますが、帳票の数字をエクセルなどに打ち直してデータだけを保管するのは望ましくありません。なぜなら、データとしては読みやすいのですが、数値が改ざんされていないかどうかを確認することはできなくなるからです。細菌検査の結果などは、シャーレ内の細菌コロニーをカウントした結果を保管しておくことが必要だと思います。

 また、タイムレコーダーで、従来の紙カードを差し込んで打刻するタイプではなく、IDカードで出退勤時刻を管理するタイプが増えていますが、カードに時刻が記録されないため、社員本人が正確に記録されたかをその場で確認できません。タイムレコーダーのデータを改ざんするのは非常に簡単にできてしまうので、打刻した本人がその場で確認できるシステムがよいでしょう。

 パソコン上のデータは、修正記録を残すこともできますが、その修正記録自体を改ざんしたり削除したりすることはさほど難しくありません。やはり、デジタルデータだけではなく、手書きなどのアナログデータを保管することが重要です。

 冒頭に列挙した大手企業のデータ偽装の数々も、現場で測定した生データを保管し、それを監査する仕組みがあれば、もっと早く発見できていたのではないでしょうか。
(文=河岸宏和/食品安全教育研究所代表)