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森由香子「間違いだらけの食」

なぜ満腹でも必要以上に食べてしまうのか?太らないコツは最初の20分の食べ方!

文=森由香子/管理栄養士
なぜ満腹でも必要以上に食べてしまうのか?太らないコツは最初の20分の食べ方!の画像1「Thinkstock」より

 12月から1月にかけては、忘年会、クリスマスパーティ、新年会と1年のなかでも宴席の多い時期です。そうです。ダイエット中の方には、試練の時といえます。

 こういった宴席は、大皿料理、ビュッフェスタイルなど、あらかじめ食事量が決まっていないものが多く、どれだけ食べたかわからずについつい食べ過ぎてしまいがちです。そもそもダイエット中はこういうスタイルの食事は控えたほうがよいのですが、お付き合いでどうしても断れない場合も多々あります。

 好きなものを好きなだけ食べられる食事スタイルの場合、食べ始めからの20分間の食べ方が、年末年始太りを左右します。

「ゆっくりよく噛んで食べましょう!」という言葉を、聞いたことがありませんか。これはゆっくり時間をかけてよく噛んで食べれば、食べ過ぎずに少量でも満腹感を得られ、ひいてはカロリーが抑えられるという効果が期待できます。

 その理由は、次の通りです。

 脳の視床下部には満腹中枢があり、刺激を受けると食べることをやめるように働きます。この主な刺激は、血糖とレプチンです。

 食事をしたときに、食べた物が消化・吸収されて血糖値が上がり満腹中枢を刺激します。そして食後20分ぐらいすると脂肪細胞からレプチンが分泌され、この刺激も満腹中枢に伝わり満腹だと感じるようになります。そのため、食べ過ぎないようにするには、この満腹中枢を的確に刺激して食欲を止めることです。

 そもそも食べ過ぎてしまう理由は、この20分の間に必要以上にたくさん食べてしまうことによるレプチンの過剰分泌によるものです。そうなってしまうと、脳はレプチンの刺激に慣れすぎてしまい満腹を感じなくなってしまいます。

 つまり、満腹の刺激を脳に的確に伝えるには、少なくとも20分以上かけてゆっくり食べることが必要となります。食事の開始から20分間はゆっくりよく噛んで食べれば、食べ過ぎを防ぐことができるのです。

効率的に満腹中枢を刺激すべし

 ゆっくり食べると、ほかにも食欲を止めてくれるホルモンが分泌されます。例えば、別名で満腹アップホルモンと呼ばれるヒスタミンや、ハッピーホルモンとも呼ばれるセロトニンも食べ過ぎ防止に働きます。

森由香子/管理栄養士

森由香子/管理栄養士

東京農業大学農学部栄養学科卒業。大妻女子大学大学院(人間文化研究科 人間生活科学専攻)修士課程修了。 クリニックにて栄養指導、食事記録の栄養分析、食事管理業務に従事。フランス料理の三國清三シェフととともに病院食や院内レストランのメニュー開発、料理本制作の経験をもつ。管理栄養士・日本抗加齢医学会指導士の立場から食事からのアンチエイジングを提唱している。「老けない人は何を食べているのか」「病気にならない人は何を食べているのか」「体にいい『食べ合わせ』」「太らない人の賢い食べ方」「老けない人の献立レシピ」など著書多数

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