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大崎孝徳「なにが正しいのやら?」

なぜ女性はやたらと買い物が長い?なぜ金遣い荒く、いちいち意見求める?

文=大崎孝徳/名城大学経営学部教授
なぜ女性はやたらと買い物が長い?なぜ金遣い荒く、いちいち意見求める?の画像1「Thinkstock」より

 男女で行動に大きな差があるということについて、多くの人は異論がないでしょう。また、こうした相違は、購買行動においても明確に存在していると多くの人が感じていることと思います。

 たとえば、デパートで奥さんの買い物に付き合うことに疲れ果て、エレベーター横のベンチでぐったりとうなだれる旦那さん……という風景は、ドラマなどでもおなじみです。

 こうした男女の購買行動の相違がわかれば、売る側にとってさまざまなマーケティング施策に活用できるため、極めて重要な情報となるはずです。しかし、多くの人がなんとなく感じているであろう、この男女の購買行動の相違に関して正面から取り組んだ研究はあまり目にしません。

 そこで今回、筆者の開講するゼミの学生たちが正面からこのテーマに取り組みました。

現地調査スタート

なぜ女性はやたらと買い物が長い?なぜ金遣い荒く、いちいち意見求める?の画像2『すごい差別化戦略』(大崎孝徳/日本実業出版社)

 当初は、参考になる文献などがないか方々調べていましたが、適当なものが見つからず、「これはもう現地調査しかない」との結論に至りました。

 まず、大学内のコンビニエンスストアで調査を実施することになりました。なぜ大学内のコンビニが選定されたのでしょうか。もちろん、近くて便利で融通が利くといったこともありますが、以下の通り大学内コンビニには調査対象として多くの利点があります。

 調査するにあたって、男女の行動の差を比較するためには、男女双方をターゲットとする店でなければなりません。また、買い物に時間がかかる商品の場合、サンプル数を稼ぐことが難しくなります。

 こうした点を踏まえれば、コンビニは極めて良い条件を備えています。さらに、なぜ大学内かという点に関しては、たとえば一般のコンビニにも数多くの男女が来店するでしょうが、年齢がばらつきます。一方、大学内のコンビニであれば、客が「学生」という条件つきにはなるものの、年齢層が集中しているため、少ない手間で大きな成果を上げることができ、初めの一歩としてはもってこいであると考えたわけです。大学内コンビニにおける200名を超える顧客の購買行動の観察結果は以下の通りです。
 
【男女の購買行動の数値化】

・買い物時間…男:1分18秒 vs. 女:2分44秒
・チェックした商品点数…男:2.5点 vs. 女:3.7点
・手に取った回数…男:1.6回 vs. 女:2.2回
・比較した回数…男:0.3回 vs. 女:0.6回
・買い物金額…男:163円 vs. 女:214円

大﨑孝徳/香川大学大学院地域マネジメント研究科(ビジネススクール)教授

大﨑孝徳/香川大学大学院地域マネジメント研究科(ビジネススクール)教授

香川大学大学院地域マネジメント研究科(ビジネススクール)教授。1968年、大阪市生まれ。民間企業等勤務後、長崎総合科学大学・助教授、名城大学・教授、神奈川大学・教授、ワシントン大学・客員研究員、デラサール大学・特任教授などを経て現職。九州大学大学院経済学府博士後期課程修了、博士(経済学)。著書に、『プレミアムの法則』『「高く売る」戦略』(以上、同文舘出版)、『ITマーケティング戦略』『日本の携帯電話端末と国際市場』(以上、創成社)、『「高く売る」ためのマーケティングの教科書』『すごい差別化戦略』(以上、日本実業出版社)などがある。

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