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強制起訴の東電旧経営陣、無罪の可能性75%?「嫌疑不十分」との検察の判断に国民がNO!

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「Thinkstock」より

 2011年3月に起きた東日本大震災に伴い、未曽有の大事故に発展した東京電力福島第一原子力発電所。事故の責任をめぐって2月29日、検察が責任を追及しないと判断した東京電力旧経営陣3人が、検察審査会から「起訴すべき」という判断を受けたことにより業務上過失致死傷罪で強制起訴された。

 強制起訴の制度が設立されるまでも、弁護士が被害者側の代理人として被害届の提出や告訴の手助けをするということはあったが、これによって捜査機関が必要な捜査を行ったとしても、起訴・不起訴は決定権限を持つ検察官の判断次第であった。

 この例外として、09年5月から強制起訴の制度が運用されている。衆議院議員選挙の選挙権を持つ国民から無作為に選出された11名で構成される検察審査会が2回続けて8名以上の多数で「起訴すべき」と判断すると、検察官が起訴しないとした判断を覆して強制的に起訴する制度である。

 では強制起訴は、制度導入以来どのような機能を果たしてきたのであろうか。強制起訴の制度に詳しい桜井康統弁護士は次のように話す。

「来月から始まるジャニーズタレント松本潤さん(嵐)が主演するテレビドラマのタイトルが『99.9 −刑事専門弁護士−』です。これが指し示すように、わが国では検察官によって起訴された事件の99%以上が有罪となっています。他方で、強制起訴されたのは8件しかありませんが、そのうち2件しか有罪になっていないため、現時点での有罪率は25%にとどまります」

 有罪になる確率がたったの25%では、無罪の人を起訴してしまっている場合が75%ということだ。これに加えて、検察審査会法において強制起訴されたことに対する補償制度は制定されていないため、裁判に呼び出された後に無罪が確定しても一切の補償が受けられない。これは大きな問題ではないのか。

「確かに、検察官は有罪の確信を持って起訴していますが、他方で検察審査会は、嫌疑の程度や犯情(犯罪に至るまでの事情)等を考慮して、裁判所の最終的な審判を仰ぐのが相当かどうかを判断する傾向が見られます。そのため、検察官の『慎重な起訴』に比べて『あっさり起訴』という批判もあります。そこで検察官が不起訴と判断した事件の中でも、不起訴の理由を『起訴猶予』と『嫌疑不十分』(証拠不十分)に分けて考え、強制起訴の対象になるのは『起訴猶予』の場合に限定し、『嫌疑不十分』の場合には、強制起訴の対象から外すべきという考え方が示されています」(同)

 桜井弁護士によると、検察官が不起訴とする理由には「起訴猶予」と「嫌疑不十分」の2つあるという。起訴猶予とは、被疑事実は明白だが被疑者の性格や年齢、犯罪の軽重や情状及び犯罪後の情況により検察官が訴追を必要としないと判断した場合だ。一方の嫌疑不十分は、犯罪の成立を認定すべき証拠が不十分なことを表す。強制起訴の対象は、前者に限定すべきという考え方が高まっている。