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蒲谷茂「自分のからだは自分で守る」

歯周病で死の危険!アルツハイマー病や動脈硬化の原因に…虫歯や歯茎から細菌侵入

文=蒲谷茂/医療ジャーナリスト
歯周病で死の危険!アルツハイマー病や動脈硬化の原因に…虫歯や歯茎から細菌侵入の画像1「Thinkstock」より

 わたしたちのからだの中では、いろいろなことが起きている。最近話題になっているのが、慢性の感染症だ。感染症といえば、誰もが知っているのはインフルエンザ。インフルエンザはウイルスの感染によって起こる。ウイルスの感染で起こるものは、ジカ熱もそうだ。ジカ熱は蚊が媒介するが、ウイルスが原因である。

 ウイルスだけでなく、細菌によっても感染は起こる。細菌によって起こる感染症といえば、食中毒がよく知られている。感染症にかかると、白血球などの免疫機構が働いて細菌を排除する。自身の免疫で間に合わないときは、抗生物質を取り入れれば細菌を殺すことができる。ウイルスに対しては抗生物質のような特効薬はなく、増殖するのを防ぐ程度のものしかなく、予防のためにワクチンを前もって打っておくことが対策となる。

 ところで、細菌やウイルスがからだの中に侵入すると、これらを殺したりするために免疫が働き、闘う。これが炎症である。炎症とは、細菌やウイルスが闘っている状態で、発赤、熱感、腫脹、疼痛という4徴候が起こる。場合によって、これに出血が伴うこともある。急性の炎症では、これらが激しく起こる。そして、細菌やウイルスに勝利すれば、炎症もすぐにおさまっていく。

 この炎症に、急性のものだけでなく、慢性のものがある。ピロリ菌によって起こる炎症は、多少の痛みはあるが常にそれもあるわけでなく、慢性の炎症といえるだろう。肝炎ウイルスによる症状も慢性炎症であるという医師もいる。

 慢性の炎症はからだの中に入り込んだ細菌などによって起こるが、急性の炎症と異なり、痛みも感じないものが多いという。

 慢性の炎症が原因で発症するといわれているものが、アルツハイマー病、がん、リウマチ、糖尿病などである。過剰な内臓脂肪も炎症を起こすといわれている。肥満でも炎症が起こるのだ。

口内には100億個の細菌

 おもに細菌やウイルスが侵入する部位は、呼吸器や消化器、とくに問題となるのは口だ。細菌の量を調べると、口の中には約700菌種、100億個の細菌がいる。もちろんすべてが悪い菌ではない。虫歯があればその傷口から、歯周病があれば歯と歯茎の隙間から細菌が侵入する。血管に入った細菌は免疫機構によって排除されるが、一部は生き残り、炎症を起こす。

蒲谷茂

蒲谷茂

医療ジャーナリスト。1949年生まれ。立教大学卒業後、健康雑誌『壮快』の編集にかかわり、8年後に独立。多くの医療・健康に関する雑誌の編集・執筆、テレビ番組の企画・制作にも携わる。95年『大丈夫』(小学館発行の健康雑誌)の創刊編集長に就任。その後、30年以上にわたる経験や人脈を生かし、自分のからだは自分で守るための情報を発信し続けている。著書は、『民間療法のウソとホント』『歯は磨くだけでいいのか』(共に文春新書)、『測るだけで大丈夫』(八重洲出版)、『死に至る病・チェックブック』『自宅で死にたい』(共にバジリコ)などがある。現在、八ヶ岳南麓に住み、エフエム八ヶ岳のパーソナリティもつとめている。

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