未承認遺伝子組み換えコメの乾麺ビーフンが951キロ、実に1万5000人分をはじめ輸入時の行政検査により食品衛生法違反となったもの計274件が販売・消費済みだったことが発覚した。
現在、輸入食品は2014年度で年間3200万トン、実に国民1人当たり252キロ輸入されており、日本は世界一の食品輸入大国である。輸入食品については国が水際で食品衛生法に基づく検査をしているが、その検査率はわずか8.8%で、低下の一途をたどっている。
その原因は、輸入件数が急増し検査体制が追いつかないからである。要するに、91.2%はまったく無検査で輸入されているのである。このわずか8.8%の検査のなかで、その3割弱が国の検疫所に配置されている食品衛生監視員が自ら行っている行政検査(モニタリング検査)である。
本来、水際での検疫検査は、その結果が出るまで食品は留置されるべきだが、現状では留置は義務づけられておらず、検査対象となる輸入食品は結果が出る前に流通している。要するに、検査結果が出た時は「胃袋の中」という、とんでもない検査なのである。この実態が、4月22日の衆議院TPP特別委員会で斉藤和子議員によって明らかにされた。
14年度の行政検査で食品衛生法違反となった食品が消費・販売されている実体を示したものが表1である。数量まで明らかになったのは初めて。
その主だったものは以下のとおり。
・残留農薬基準値の2~4倍の生鮮トマトが3件、総量8404キロで実に5万6026人分
・同3倍の生鮮キャベツが80キロで800人分
・同2倍の生鮮にんじんが10キロで67人分
・同2~4倍の生鮮マンゴーが1055キロで5275人分
・同9〜10倍の生鮮青唐辛子が910キロで9100人分
これらは、消費者がまったく気づかずに胃袋の中に収めてしまったものである。