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食品衛生法違反の中国産乾麺ビーフン
さらに驚くべきことに、07年1~2月には、行政検査を受けて食品衛生法違反とされた安全性未審査遺伝子組み換え米で製造された中国産乾麺ビーフン951キロ、約1万5000人分が流通・消費されてしまっていたことが発覚した。
この事案は、06年9月に環境保護団体グリーンピースがEUにおいて中国産米加工品(ビーフン等)から遺伝子組み換え米の混入を確認したと公表したのを受けて、検疫所で中国から輸入される米を主原料とする加工品について行政検査を実施していたことで発覚した。しかし、留置検査でなかったため国内に流通し、消費されてしまったのである。未承認遺伝子組み換え食品がこれだけ流通消費したのは、これが初めてである。
ちなみに、03年から14年にかけてこのような食品衛生法違反輸入食品の全量流通・全量消費の件数は、実に274件にも上っているのである。
米国の要求
一体、なぜこのような事態になっているのであろうか。
その原因は、1995年の食品衛生法改正で、それまで留置検査を行ってきた国の行政検査が廃止されてしまい、留置検査でないモニタリング検査が導入されたことにある。導入のきっかけは、90年の日米構造協議における米国政府からの輸入手続き緩和要求であった。
「輸入食品監視業務については、国際貿易の活発化により、国の内外から審査及び検査の迅速化、規制緩和の要請があり、今後とも国際的な面からの対応が必要となっている」(93年総務庁行政監察)
今後、TPPを含め関税撤廃による輸入食品の急増が懸念されるなかで、このような輸入食品の検査体制の抜本見直しがなされなければ、国民の安全な食生活を守ることはできない。
(文=小倉正行/フリーライター)
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