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輸血用血液が足りない!血液を売買する闇組織が活発化、リーダー格の年収は1700万円

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「Thinkstock」より

「日本ではカネで買えないが、中国では買えるもの」といえば、血液がそのひとつである。

 4月27日付「新京報」によると、中国・北京市や江蘇省などをはじめ、全国的に輸血用血液の在庫が不足するなか、「血頭」と呼ばれる売血組織の動きが活発化しているという。

 記事によると、全国70の主要都市のうち50都市で輸血用血液の在庫が逼迫している。江蘇省蘇州市の蘇州大学付属第一病院の血液科で働くスタッフによると、血小板の在庫は慢性的に不足しており、輸血をしなければ生命に危機が及ぶと判断された患者にのみ使用が許されているという。

 こうしたなか、輸血を必要とする入院患者は、あらかじめ親族や知人に個人的に献血を依頼して輸血用血液を確保している。だが、依頼する親族や知人がいない患者は売血組織を頼るしかないという。

 ある売血組織の主導者によると、同病院や同市赤十字血液センターに部下を常駐させており、200ミリリットルの血液を1000元(約1万6700円)前後で、40ミリリットルの血小板を1200元(約2万円)で販売している。これは、正規の輸血費用の3~4倍に相当する。

 彼らは一日当たり20件ほどの取引を行っており、末端のスタッフでも年収にして10~20万元(約170~330万円)、リーダー格になると100万元(1700万円)を得ているという。ちなみに、こうした血液売買は中国の法律でも禁止されている。

 売血組織が暗躍する結果となっている輸血用血液の不足について、広東省地方紙の記者はこう話す。

「医療の向上と普及により、輸血を受ける人が増えたことがひとつの原因。献血者の数も多少なりとも増えつつあるといわれているが、HIV感染を自ら疑う人など血液検査代わりに献血に訪れる人も多く、輸血用に利用できる血液の総量はそれほど増えていない」

 かつては貧困層を中心に、売血によって生計を立てる「血奴」と呼ばれる人々が数多くいた中国。売血者間での注射器の使い回しや、安全性が未確認の血液が売買されたことで、HIVをはじめとする感染症拡大を招いたという過去もあるだけに、事態の改善が急がれる。
(文=牧野源)