スマホ「アプリDL地獄」とグーグル検索の終焉 LINE上ですべて完結する時代突入の予兆
インターネットの世界では、会話型ボット(人工知能による対話システム)を使ったメッセンジャー・アプリが話題になっている。これがネットにおける次世代のプラットフォームになると予測されているのだ。
しかし、さほどネットに興味のない一般人にしてみれば、「だから何?」と思うかもしれない。
ネット上で、プラットフォームが変わるということは、たとえば、米マイクロソフトがネットの世界における王座を米グーグルや米アップルに奪われたように、この2社もまた新興企業に今の地位から引きずり下ろされる可能性を意味している。
浮き沈みの激しいテック(テクノロジー)の世界においては、とても重要なことだ。
会話型ボットは、「デジタル秘書」「デジタル執事」といったほうがわかりやすいかもしれない。しかし、映画やアニメに登場するデジタル執事を想像していると、実際の会話型ボットにはがっかりするだろう。フェイスブックのCEO(最高経営責任者)であるマーク・ザッカーバーグ氏が、「映画『アイアンマン』(パラマウント映画ほか)に登場するデジタル執事・ジャーヴィスのようなAI(人工知能)を、自分用に構築したい」と、今年の新年の抱負として掲げていたように、現実はフィクションにまだ追いついていない。
ジャーヴィスのように、音声で問いかければ音声でなんでも正確に答えてくれるようなAIボットはいまだ存在しない。アップルのiPhoneやiPadなどに搭載されている人工知能「Siri」はデジタル秘書だといわれ、そのAIは使えば使うほど進化していくとされるが、ジャーヴィスのようにどんな難問にでも正確に答えることができるわけではない。その代わり、面白い会話ができるような性格づけを最初にしておくことで、能力のなさをごまかしているところがある。
たとえば、「Siriに『0÷0は?』と質問すると、『0個のクッキーを友達0人で分けるとします。1人当たり何個になりますか? ほら、無意味な質問であることがわかりますよね。それに、友達がいないとさびしいですよ』という答えが返ってきた」というやりとりがネットで紹介され、世界中で話題になった。このように、デジタル秘書や執事は、まだ話のネタのレベルだ。
メッセンジャー・アプリでボットと会話
今、ネットの世界で話題になっている会話型ボットは、音声ではなく文字を使う。LINEのようなメッセンジャー・アプリで、知人と短いメッセージのやりとりをするように、ボットとテキストベースのメッセージを交換することを「会話型」と呼んでいるのだ。