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夕食が菓子パンの子供に「給食」宅配?無添加&健康促進の子供向け宅配弁当、広がる

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FCN HP」より

 筆者はこれまで6000社近くの中堅・ベンチャー企業を取材してきたが、「この会社にはぜひ成功してほしい」と思う企業が少なからずある。子供向け仕出し弁当を提供するFCN(東京都中野区)も、その1社だ。

 2015年3月、FCNは第1回インキュベーションプロジェクト「リアンプロジェクト」(主催・サザビーリーグ)で最優秀賞に選ばれた。このイベントはベンチャー企業などの創業期の事業プランを審査するもので、255社が応募し、予選を通過した8社がプレゼンテーションを行なった。その結果、最優秀賞に評価されたFCNは、学習塾と学童保育施設に対して夕食用の弁当や手づくりのおやつを配達している。

 ありきたりの弁当ではない。メニューは健康増進と味覚の形成を意図して、旬の食材を使用した和食に徹し、無添加の手づくりである。主食に玄米や雑穀を混ぜて栄養価を高め、主菜には「鰆の西京焼き」「鯵の竜田揚げ人参ソース」など魚料理も取り入れ、副菜には海藻やきのこを使用している。タレやドレッシングも出汁取りから手づくりだ。

 容器にも意図が込められている。保温性の高いステンレス製の容器を2つ用意し、主食と主菜・副菜に分けて入れているが、理由は2つある。

 ひとつは、環境対策として使い捨て容器を採用しないこと。もうひとつは、容器を手に持って食べる習慣をつけさせることである。ひとつの容器に主食・主菜・副菜を盛り込むと、子供の場合、置いた容器に顔を近づけて食べる“犬食い”になりがちだ。この癖が身につかないように、容器を分けて手に取れるサイズにしたのである。

 さらに、弁当にはメニューや食材を説明した手書きの「食育メモ」が添えられている。1食単価は小学校低学年向けが500円、小学校高学年向けが560円、中学生向けが620円。

 注文は生徒から直接受け付け、入金もFCNに生徒から振り込まれる。学習塾も学童保育施設も場所を提供するだけで、売買には介在しない。現在は都内の「日能研」10教室に弁当を1日平均50食、学童保育施設10カ所にはおやつ、夏期休暇や冬期休暇には、日能研と学童保育施設に弁当を計250食配達する日もある。

「夜の給食ってないのかな?」


 この事業は危機感から生み出された。市場性や収益性への期待からではない。FCNは代表である椎名伸江さんの危機感から設立されたのである。