クレジットカード貧困の罠…リボ払いはこんなに危険!利息だけで百万円に上ることも
アメリカ人は請求書に追われて生活している
アメリカで暮らして実感したのは、「普通の人たちはBill(ビル、請求書)の支払いに追われて日々暮らしているんだなあ」ということ。公共料金のBillもさることながら、一番大きいのはクレジットカードのBillだ。「請求書の支払いをするために仕事をしている気がする」という嘆きをよく聞いた。あなたの暮らしがアメリカナイズされないように気をつけよう。
アメリカはさまざまな面で世界の最先端を行く。たとえばIT。筆者も働いたことがあるが、公立の貧乏な小学校でもWi-Fi環境が整備されており、授業でノートPCやタブレットを普通に使っている。70~80代の高齢者もPCを使える。公共、民間とも各種手続きはオンライン、ペーパーレスが基本。PCやWi-Fi環境を持てない人のために、図書館は夜遅くまでPCとWi-Fiが無料で使えるようになっている。
また、アメリカはクレジットカード先進国でもある。クレジットカードが世界で一番早く普及し、何枚ものカードを持つのが当たり前になった。持っているカードの種類や枚数が、その人のステータスを表すこともある。
カードをたくさん持つことより「Debt Freeが最高!」へ
ところが、2008年のリーマンショックあたりから風向きが変わった。不動産の値上がりを前提に、全額ローンで家を買った人たちが不況でローンが返せなくなった。このローンビジネスにかかわった巨大金融機関の倒産がきっかけで、世界経済が大打撃を受けた。
それまでのアメリカの考えは、「ローンはどんどん借りればいい。ローンでローンを返す生活でも大丈夫。給料は毎年上がるし、不動産もどんどん値上がりするから」だった。貯蓄率ゼロでも、株や不動産の値上がりでやっていけた。それが様変わりした。
多くのクレジットカードを何枚も持って、買い物の支払いはすべてカードにしていた人たちが、カードにハサミを入れて解約し、デビットカード(即払いのカード)を使うようになった。
クレジットカードや車のローン、その他のローンをすべて返済して「Debt Free(借金ゼロ)」を目指す人が増え、公共機関や教会で「借金をゼロにして自由な人生を送ろう」というセミナーが開かれるようになった。「私はカードの残高を全部払い終えて、借金から完全に自由になりました!」という人が自分の経験を話して、参加者から喝采を浴びるようになった。