美人すぎるタクシードライバー→芸能界デビューの生田佳那さん、その緻密なブレイク戦略
ヒットするのはモノやサービスだけではないという観点で、昨年からテレビや雑誌などで話題となっている“美人すぎるタクシードライバー”生田佳那(いくたかな)さんの活躍ぶりを分析してみます。
昨年から『林先生が驚く初耳学!』(TBS系)、『ほんとうにあった怖い話』(フジテレビ系)、『紺野、今から踊るってよ』(テレビ東京系)、「バーガーキング」のテレビCMなどで目にした人も多いだろう。長野の田舎で高校まで過ごした後、埼玉の私立大学で心理学の勉強をしていた生田さんが、なぜ芸能界でここまで売れたのか。彼女の経歴や芸能活動の進め方、運や実力面からは、ヒットする秘訣について学べるものがあります。
偶然からの発展で現在の活躍に至った要因としては、「レバレッジ=てこ」の利用があげられる。大学生の時にたまたま遊びで表参道へ来た際にヘアサロンのモデルとして誘われ、次は「Ray」(主婦の友社)など女性雑誌で読者モデルを務めた。そして、「どうせ人生一度きりだし、もっと自身をブレイクさせたい」という考えで、国の女性支援制度を使ってタクシードライバーになり、芸能界デビューしたという異色の経歴。女性タクシードライバーは少なからず存在するが、今まで芸能界と結びつくような人はいなかった。だからこそ彼女は、レバレッジを活用して芸能界に行こうと考えた。
国土交通省の女性就業をバックアップする「女性ドライバー応援企業」認定制度の一環で行われていた、タクシー会社が募集していた女性運転手プロジェクトに参加し、見事優勝したという。そして、苦労して獲得した“美人すぎるタクシードライバー”という称号を武器に使って、みごと芸能界本格デビューしたという。国の制度をうまく使って自身をブレイクさせるという手法は、さすがだと感じる。強力なハイレバレッジとギャップという話題性を効かせて、実際に実行に移すというのは、マーケッターの技に匹敵する。
現在は、テレビ番組のリポーターなどとしても活動しているようだが、今後は“美人タクシードライバー”という肩書きよりも「生田佳那」という自身のブランドである名前と顔を、テレビの向こう側で見ている人たちに覚えてもらうことが目標になるのは間違いない。強力なキャッチコピーで一時はブレイクすることはあるが、その勢いを保つのは至難の業なので、今後は音楽業界や舞台芸術なども勉強しながら、幅の広い視野を持って活動していかなければ芸能人としての鮮度を保つことは難しいだろう。